小説以外
果実の森〈上の巻〉文芸篇作者: 夢枕獏出版社/メーカー: あんず堂発売日: 1999/10/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る果実の森〈下の巻〉コミック・SF篇作者: 夢枕獏出版社/メーカー: あんず堂発売日: 1999/10/01メディア: 単行本この商品…
以前から読みたかった食のエッセイシリーズ1冊目。いちいち発想が面白かった。 自分たちの世代に対する距離感は結構愛着が持てる。 はたしてうな重を食べるのに前菜は必要なんだろうか。 デパートの食堂って自分が物心ついた頃には既に過去のものとなりつつ…
戦後性風俗を語ってるんだけど、一冊の本としてまとまりがなくて読みづらかった。
世界各国を旅した記録を収録したフォトエッセイ。 女性の吐瀉物に動物が群がってたり、荷物を盗まれたり、幼い娼婦が誘惑してきたりするのを特に誇張するでもなく淡々と描く辺りがらしいっちゃらしいかなー。 こういうフォトエッセイって情景描写は要らない…
セカイ系という言葉が生まれ、定義を少しずつ変えて流通していった経緯について、知らないことも多く、とても勉強になった。 感想としては、@motidukisigeruさんが自分の言いたいことをうまく言語化してくれてる気がした。オタク第一世代の受容態度の話とか…
主に70年代〜80年代(比較的新しいものでもVガンダムとかパトレイバーとかだったような)のアニメノベライズを個別に紹介するガイドブック。 基本的にアニメの展開をなぞっているだとか、アニメを補完する外伝的なものだとか、小説オリジナルのテイストが強…
ライトノベルに関して様々な視点から語る評論集。目次はこちら。こういう形態の本としては当然かもしれないけど、これまでのラノベ関連本と比べ東浩紀や大塚センセを始めとする先行した文献を多く引用。それだけラノベに関する言説も積み重なってきたという…
「魔術士」を「魔術師」と記述してるライトノベル関連本は読まなくていいというライフハックを実践するつもりだったのだけど、結局読んだ。以下引っかかったところ。 乙一や米澤穂信をライトノベル出身とすることにいまだに違和感がある私。新人賞取ってデビ…
誰もが知っているあの怪談この怪談を集めた短編集。日本の文化を研究・紹介していたしていた海外の学者が英語で出した出版物を、さらに日本人が日本語に訳して日本人向けに出版する、という構造が面白いいよなー。訳者はストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』も…
教科書で近代文学の出発点とまで言われているのに、岩波文庫においてすら絶版の文学評論。文中で、文学にはその時代時代によって合った文体がある、というようなことが書かれてるんだから、この本もせめて現代らしい漢字と仮名遣いにして出版すれば需要はあ…
ドレが挿絵を描いたダンテ『神曲』ほどのシンクロ率はなかった。
最初、タイトルが「かく語りき」の新潮文庫版の方を読もうとしたら辞書なしには読めないレベルの漢字が頻出するので、平易な訳を心がけたというこちらを。あんまりかっこよくないタイトルも、あるいはそこら辺の意図の表れなのか知らん、とも思ったり。……で…
今になって夢枕獏をほろほろと読んでいる。現時点ではシリーズ物は『キマイラ』『魔獣狩り』『陰陽師』などがメイン。どれも結構面白い。エロスとヴァイオレンスを得意とし、強い男たちが活躍する、という印象が強かったが、その一方で優しい男、弱い男、女…
『アトム』の時代からの歴史の生き証人である辻真先の回顧録。 岩波ジュニア新書から出てて、近所の図書館でも児童書のコーナーに置かれているんだけど、こちらの感想にある通り、注釈なしに単語がぽんぽん出てきて、「ジュニア」新書というレーベルからする…
83年の『少女小説家は死なない!』頃から全体的に本が売れてきて、ジュニア小説家という古くさいイメージから少女小説家という死語になっていた言葉で仕掛けようという事情が業界にあった。当時放送されていた「オールナイト・フジ」のイメージもあってマス…
なんという扇動的なタイトル。『電波男』の隣にでも並べたら売れるかもね。『上弦の月を喰べる獅子』繋がりで手を出したのだけど、うーん。言いたいことは分かるのだけど、なんというか、主張が先行して論理展開を急ぎ過ぎてる感があって、ちょっとついてい…
中国小説を書く人の中国エッセイ。「劉備」や「関羽」の項とか、まんま「泣き虫弱虫諸葛孔明」の語り口。やっぱりあれも小説ってよりエッセイだよなあ。創作の種をこういう形で消費するってのもどうかとは思ったけど、そう考えると方法論の違いだけでどっち…
"男装の麗人"について述べているところで、何の前触れもなく類例に葛西伸哉『熱死戦線ビットウォーズ』を挙げるガチっぷり。できておる喃。 00年代に入ってから、有名なタイトル(本文では書かれてないけど、注釈に『スレイヤーズ』『オーフェン』とあり)が…
弟子の方の瑞人が新刊を出さない(電撃hpで連載はしてるらしい。待ち遠しい)のでご登場願いました。20世紀後半、アメリカでのヤングアダルト文学の誕生と、日本への波及。何かと若者に説教したがる団塊世代への苦言。前者についてはアメリカの方の事情に多…
小説家は、普段どのような視点から他人の作品を読んでいるのか?といった疑問に答えてくれる一冊。著者によると、「書く」こととは「書き直す」、つまり推敲を重ねることと同義(関連するかも)だそうで。人によっては瑣末とも思えそうな、文体や、単語につ…
夏ごろには既に入手していたのですが、情報密度が高いので、牛歩で読み進めてきて、つい先日ようやく読了。 基本的に資料集みたいなものなので、これ単体での感想、というのは特にないのだけど、印象深いのは、数十回分の代表挨拶かなあ。コミケも時代の変化…
日露の通訳として活躍する著者が、その経験談を面白おかしく語る。それを通して日本語や、ひいては世界中の言語によるコミュニケーションについて考えていく。タイトルは、原語に忠実な、しかしごつごつした訳か、原語に不忠実な整った訳のどちらがいいかと…
2001年以前は、参考になりました。2001年以降は、懐かしく読めました。特に面白かったのはmeshによるブログ騒動とかちゆとかその辺なんですが、ちょっと驚いたのが、前者。自分も既にニュースサイトらしきものをやってて何かしらコメントしたような気がする…
他人の目を気にしない、流行に乗って自分に興味のないネタを書くより日常雑記を書くべし、とか。90年代中盤から現在までweb日記を公開し続けてきた作者が、自叙伝風にblogとの付き合いの変遷を語る。
言葉遊びに富んだ小説が好きです。作者独特の言い回しが光っている作品は、話がさして面白くなくともそれだけで許してしまうことがありますが、さらにテーマと結びついているのなら言うことはありません。でも、考えてみたらそれって既に言葉「遊び」とは違…
これ、知名度がどの程度かってのがちょっと分からないんですが、この辞典をもじった書籍も幾つか出ているし、私も名前は何度か耳にしたことがあるので、結構有名みたいですね。風刺とか機知とか皮肉とか社会を斜めから見たアレコレの用語集。表題のような悪…
日本のアニメは、漫画やゲーム、小説などの近隣のメディアを原作とし、それらの影響を多分に受け、独自の道を模索してきた。では、原作とアニメ化された後の作品では、どこがどう違うのか。 なんでこんな本をうちの大学の図書館がすぐに購入したのかと思った…
googleやamazonを例に取り、楽観主義を貫いてwebの今後を語った話題の書。著者がはてなの偉い人だからかどうか知らないけど、はてな内だけで言及数が1000件超えてる……感想としましては、新技術というものについて前向きな姿勢を崩さず、「プロジェクトX」み…
タイトル通りの本。面白かった。 男の子向けアニメのタイトルは強そう、女の子向けアニメは可愛らしい だからって「サンダーストロンガー姫」とかいうタイトルでも嫌だけどな。 男の子の国の基盤は科学技術、女の子の国の基盤は魔法である まさにこれを逆転…
500Pと膨大なインタビュー集。さすがに全部読んでる時間はないので、興味あるとこ以外は斜め読み。 第3章摩砂雪の章より。エヴァでは、対使徒迎撃要塞都市であるところの第3新東京市が全然機能していない。 ははは、確かに。都市自体が防衛機能を備えてはい…