2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

はてしない物語/ミヒャエル・エンデ 上田真而子・佐藤真理子:訳/岩波書店

異世界往還系ファンタジーの大元?バタ臭さが薄く、ちょいと哲学的な風味も漂っていて、今読んでも充分に面白い。これを原作として製作された映画があれじゃ、なるほど、そりゃ怒ってもしょうがないわなあと思った。映画制作側としては、「現代の街並みの上…

宇宙皇子1 はるかに遠き都よ/藤川珪介/カドカワノベルズ

壬申の乱以降、歴史の裏側、「星暦」と呼ばれる偽史を描く「書き下ろし異次元歴史ロマン」。なんだけど、史実の部分が資料丸写し、とまではいかないまでもまだ、作者のものになってない感じがして文章が硬く、ちょっと読みづらい。 いのまたむつみのイラスト…

魔群惑星(1) スイート・マジック/渡邊由自/角川スニーカー文庫

期待してたほどエロくもなく、思ったより真面目だった。真鍋譲治のイラストが懐かしい。

ちょー美女と野獣/野梨原花南/集英社コバルト文庫

この人、普段はむしろきっちりとした装飾的な文章を書けるのに、この作品ではわざと崩してるんだろうな―という感じはした。結びの文章とか、さらっと流してるけどとても綺麗。 展開はちょっと、ん〜?と思うところがなくもないけど、パワーで押し切ってる感…

ROOM NO.1301(6) お姉さまはストイック!/新井輝/富士見ミステリー文庫

飯笹君にフォローがあってよかったなあ、の巻。本筋は相変わらず進んでるんだか進んでないんだかよく分からん。 イラストがなんだかおかしいっていうかキャラクターの判別が出来ません。

ARIEL(10)/笹本祐一/朝日ソノラマ文庫

いまだかつてない規模の戦闘なのに最後は電子戦になっちゃってちょっと残念に思わなくもない。

福音の少年 王立図書館十字軍/加地尚武/徳間デュアル文庫

電子の海に図書館を設立する、というのはまあわりと聞きなれたアイディアだけど、著作からのイメージによって作家のペルソナを作り上げる、って設定は結構面白かった。エヴァの二次創作で綾波キャラがシャブラニグドゥ(というかシュブ・ニグラス)の力を得…

氷室冴子読本/氷室冴子責任編集/集英社

83年の『少女小説家は死なない!』頃から全体的に本が売れてきて、ジュニア小説家という古くさいイメージから少女小説家という死語になっていた言葉で仕掛けようという事情が業界にあった。当時放送されていた「オールナイト・フジ」のイメージもあってマス…

ダブルブリッドⅢ/中村恵里加/電撃文庫

中国からアヤカシの体と機械を合成させたロボット(?)がやってきた!今回は半分その中国製ロボット(こうやって書くと先行者を思い出すなあ)側視点で話が進むこともあって淡々としていて、カタルシス低め。優樹たちがようやく話しに絡んできたと思ったら、あ…

魔群惑星(2) ロスト・レクイエム/渡邊由自/角川スニーカー文庫

ああ、愚直なまでのヒューマニズム。要は『ザ・サード』みたいなもんなのね。 つうか、エロいという評判を聞いて読み始めたのに、少年誌レベルでもOKなくらいの描写ばかりであんましエロくないよっ!スニーカーの同時代の作品で、『ルナ・ヴァルガー』は別格…

デルトラクエスト#65「デルトラよ永遠に」

最終回、とは言っても特に何があるわけでもなく。リーフの方からジャスミンに一歩歩み寄って、戴冠式やって〆。思えば、5クール目入って以降の展開って主にこの二人の距離を縮めるための話だったのかなあ、とか。 ジャスミンの野育ちっぷり、おっさんの抜け…

流星のロックマントライブ #21「ムー大陸の決闘」

『デルトラ』からのダラ見だったんであんまり突っ込んだことは言えないけど、どこに腰をすえて観ればいいのかちょっと戸惑った感はあったなあ。

俗・さよなら絶望先生#13「鎌倉妙本寺解雇」「大導寺信輔の音声」「あにいもうと という前提で」

最終回。安心して観てられた1期と比べて、当たり外れの差が大きかったなあ。良くも悪くもはっちゃけてた。 また、それぞれの女性キャラをヒロインとして確立しようとする流れがより強くなってたような気がする。元々原作からして全員黒髪セーラー服で、外見…

今月の読了リスト

風の大陸 第二十四部 白光/竹河聖/富士見ファンタジア文庫 風の大陸 第二十五部 大祭司/竹河聖/富士見ファンタジア文庫 風の大陸 第二十六部 聖都/竹河聖/富士見ファンタジア文庫 風の大陸 第二十七部 地流/竹河聖/富士見ファンタジア文庫 風の大陸 最終章 …

秋田禎信のアニメノベライズは『RD 潜脳調査室』

http://dareshimo.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_99ee.html http://www.motsunabenohigan.jp/work/workinfo.htm http://www.ntv.co.jp/RD/index2.html http://www.production-ig.co.jp/contents/news/2008/03/taf08rd.html 7月に講談社から発売予定。…

直木賞効果はライトノベルにも波及するのか

受賞から一ヵ月半ぐらい経ったけど、よく売れてるのと、赤朽葉とか七竈、あと文庫の少女には〜とブルースカイにもまたどーんと重版がかかりました。 http://sakuraba.if.tv/diary/index.php?mode=res_view&no=567 直木賞受賞発表から2ヶ月。『私の男』は勿論…

営業担当が選出した電撃文庫ベスト棚

http://www.kadokawa.org/static/company_data/005/html/pdf/bunko_0801.pdf http://www.kadokawa.org/static/company_data/005/html/pdf/bunko_0802.pdf http://www.kadokawa.org/static/company_data/005/html/pdf/bunko_0803.pdf pdf注意。下のライトノベ…

スニーカー文庫の著者近影はどこいった?

裏表紙の使い方云々にも繋がるけど、昔のスニーカー文庫の裏表紙には著者紹介が近影と共に載せられていました。あらすじは、現行の富士見Fと同じく折り返しに。 画像だと分かりにくいですが、1993年4月発行のとまとあき・塚本裕美子夫婦の共著『わたしの勇者…

ダブルブリッドⅡ/中村恵里加/電撃文庫

来日した吸血鬼とそれを追ってきた宗教勢力。その騒動に巻き込まれた優樹の話。……このシリーズは一貫して食事シーンが多いけど、この巻は特にその傾向が強い。1章はいきなり居酒屋で主役が顔突っつき合わせて呑んでいるシーンから始まり、それが30ページほど…

ノノノノ(1)/岡本倫

『エルフェンリート』の岡本倫が描くスキージャンプ漫画、ついに第1巻発売!帯推薦文の富樫義博によると「王道を隠し味に使える素敵な作家さんです。まずは一口どうぞ。」だそうで。この人が『エルフェンリート』を絶賛したのって、ファンの欲目が多少入って…

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない(上)(下)/杉基イクラ 原作:桜庭一樹

原作小説については、富士ミス版のあのイラスト、あの装丁、あのレーベルで出版されたことに意義があると思っている自分だけど、この漫画版の絵柄もよかった。あのどこふわふわした危うさが消えて、地に足がついてる感じ。漫画家の人が原作を自分のものにし…

『あさっての方向。』をちょびっと見返す。話の流れがあまりに淀みなく、心地よかった。 最近知った言葉 - 桜庭詣で。中途半端な秀才であるところの編集者が長い長い階段を上って、図書館の屋上ならぬ新宿のビルの中にある本で溢れている部屋に美少女探偵も…

福音の少年 虹のウロボロス/加地尚武/徳間デュアル文庫

元々1冊の単行本を文庫で加筆修正して三分冊にした物だってのに2巻から随分間が空いちゃって、登場人物や伏線を大分忘れててちょっと苦労したけど、それだけの甲斐はあった。全巻で地球を破壊できるほどの強大な力を手にし、この巻では一介の中学生からいき…

風の大陸 第二十六部 聖都/竹河聖/富士見ファンタジア文庫

ひっそりとローダビア編突入。久々に……20巻ぶりくらいにファンタジー世界を旅する冒険者の気分を満喫。宮廷陰謀劇もまあ悪くはなかったんだけど、やっぱりこっちの方が好きだなあ。そして相変わらずティーエは成長してるんだかしてないんだか分かりません。

SLブーム殺人事件/辻真先/朝日ソノラマ文庫

特に何があるわけでもなく勉強しないで浪人生活に入る主人公ってのも珍しいかもしれんなあ。しかし、変わり映えしない受験批判教育批判はちょっと飽きるかも。

女戦士エフェラ&ジリオラ(6) オカレスク大帝の夢/ひかわ玲子/大陸書房

前巻が妊娠判明で終わってこの巻では娘が既にある程度成長したところから始まるってのは、なんかずるいような気もする。知りたいのはそこのところなんだけどなー。あと、ジリオラが逃げ回ってることに結局共感できなかった。ああいうキャラなら、宮廷を内部…

とんでもポリスは恋泥棒/林葉直子/講談社X文庫ティーンズハート

警察内部の割としっかりとした描写と展開の杜撰さ、よく言えばテンポのよさがどうもちぐはぐだと思ったら、作者の人の親が警察の人なのね。道理で。

ARIEL(9)/笹本祐一/朝日ソノラマ文庫

菅浩江による解説が全て。元々は雑誌連載の短編という体裁を取っていた物語が、1巻完結、さらには巻を跨いで展開するようになってきていて、ちと歯切れが悪い。

サイコダイバー・シリーズ(8)(9) 魍魎の女王 新・魔獣狩り序曲(上)(下)/夢枕獏/祥伝社ノン・ノベル

文成仙吉と毒島獣太が邂逅……してねえ!代わりに涼子との再会が。ひょっこりと現れる猿翁。美空や九門鳳介も登場し、新たな戦いの幕が上がる……ってそれはいいんだけど、上下巻でほとんど何も解決してないに等しいのは流石にどうかと思わなくもない。見所は文…

風の大陸 第二十七部 地流/竹河聖/富士見ファンタジア文庫

連載分はここで終了。ドラマガのほうでずーっと追っかけてた人がいたらちょっと不義理だったんじゃないかと思わなくもないけど、考えてみれば1巻とかは書き下ろしなんだっけか。連載の方ではあの3人が最初から一緒にいて旅をしていたとか。