スニーカー文庫の著者近影はどこいった?

裏表紙の使い方云々にも繋がるけど、昔のスニーカー文庫の裏表紙には著者紹介が近影と共に載せられていました。あらすじは、現行の富士見Fと同じく折り返しに。



画像だと分かりにくいですが、1993年4月発行のとまとあき・塚本裕美子夫婦の共著『わたしの勇者さま(前)』(六版)は、二人一緒の写真。こういうの結構珍しいんじゃないですかね。また、著者近影は必ずしも写真でなくとも、イラストでもOKだったみたいです。あまり数は多くありませんが、例えば神坂一の1993年9月発行の『日帰りクエスト2』(初版)や、1993年1月発行の中村うさぎゴクドーくん漫遊記』(九版)など。最初からそうだったのか、後から「イラストでもいいよー」てな風になったのかは分かりませんが……。


うちにあるスニーカー文庫で一番古いものが、1988年3月発行の越沼初美『由麻くん、松葉くずしにはまだ早い!』(初版)。まだ「スニーカー文庫」という名称が使われていない、いわゆる青版時代のもの。この時点で既に裏表紙にあるのは近影つきの著者紹介です。青版でもなんでもない普通の角川文庫はというと、資料が少ないのでなんとも言えないのですが、少なくとも1987年9月発行の渡邊由自『魔群惑星(1) スイート・マジック』(再版)の裏表紙はISBNコードと定価など、どの文庫にもある記載以外はまっさらの状態。あらすじは折り返しに記載されています。


限られた資料から類推すると、このデザインは、どうも1994年辺りを境に変更されたような感じ。具体的には、1994年4月発行の『日帰りクエスト(3)』(初版)ではまだ裏表紙に記載されていた著者紹介が、1994年10月発行の『日帰りクスエト(1)』(十一版)では折り返しにいき、入れ替わりにあらすじが裏表紙に、という具合。



で、やがて著者近影自体を載せることをしない人が多くなります。例えば小林めぐみは、2001年4月発行の『少年少女退魔録 困らぬ前の神頼み』(初版)を最後に、2001年10月発行の『暁の女神ヤクシー(1) 鳥の呼ぶ声』(初版)以降は近影がありません。色々調べてみて、2000年以降は大体みんなそんな感じなのかな思ったら、安井健太郎は2003年1月の『ラグナロクEX THE LEGACY』(初版)には近影ありました。この人も、それ以降は載せていないのですが……。1990年代終盤から2、3年かけて近影が消えていった感じ、なのかな?代わりというわけではないでしょうが、最近では、裏側の折り返しのところにある著作一覧と一緒に書影を載せているケースもあるようです。



……なんだか曖昧になってしまったので、どなたかがもっと正確な調査をしてくれることを願っています(投げっぱなし)。