スローブログ宣言!/鈴木芳樹/技術評論社
他人の目を気にしない、流行に乗って自分に興味のないネタを書くより日常雑記を書くべし、とか。90年代中盤から現在までweb日記を公開し続けてきた作者が、自叙伝風にblogとの付き合いの変遷を語る。
- 個人サイトには「日記はこまめに更新するが、それ以外のコーナーは段々手抜きになる」という共通の法則があった。
- (一部の)個人サイトには「mixiはこまめに更新するが、それ以外のコーナーは段々手抜きになる」という共通の法則があった。
- いまだに多くのブログは、「ブログがどんなものか、すでに判っている人に向けて作られて」いる。
- 社会的影響力を持つ人がブログを書く上では、その使い易さのあまり「隙」が生まれてトラブルの元になるということを意識しなければならない。
- 芸能人などの場合、イメージを大切にするため、公式ブログなどでも当り障りのないことを書いていることが多い。そのため、有名人本人が書いているという臨場感がない。
- 個人ニュースサイトが情報元を記載するのは、おたがいの「個性」がかぎりなくゼロに近いために、かえって純粋な「人間関係」が浮かび上がってくるから。
- 内容が自己完結している文章はブログに向いていないのかもしれない。ブログで好まれる文章は、読み手に問題を投げかけるものが多い。
- 自己完結できるほど文章を整えてないので、自然、誰に向かって投げてるのかわからないような暴投みたいなエントリーばかりに。
- 多くのブログサービスでは、ユーザー登録時に自分のブログが属するカテゴリを選択しなければならない。
- あれもこれも、全部一つのblogの中でやりたい私みたいな人間にとっては、こういうカテゴリ分けは悩みどころ。カテゴリ毎に複数のblogを持つという選択もあるんですが、自分の文章があっちこっちに分散してる状態が、あんまり好きじゃないんですよね。だから、こっちから招待してもらったmixiも絶賛放置中(招待してくれた人、ごめんなさい)だったりします。
- 多分、はてなの場合はキーワード機能が充実してるから、こういうカテゴリ分けが要らないんじゃないかな。いざとなったらはてなリングもありますし。ああいう公式のカテゴリ分類ってのは、どうしても不足が出てくるので、はてブみたいなタグを幾つか組み合わせることによる分類とかも便利。
- 単なる買い物リストの楽しさ
- これは、ちょっと理解し難いな。その人がリアルでの知り合いであったり、他にもコンテンツを持っていたり、その購入リスト以外にその人を推し量る手段があるならまだしも、全く知らない人の買い物リストを見ていて果たして楽しいんだろうか……?
- つーか、私の場合どっちかというと感想を探す際のノイズになるのがちょっとうっとおしいという事情から、そういうのがあんまり好きになれないんですが。でも、blogだって検索エンジンで意味のない日記がやたらと上に来てうっとおしいとよく言われるし、どのような日記がノイズかなんて決めるのは狭量ではある。
- だからといって、「今は価値がなくとも100年後の誰かにとっては価値がある情報になっているかもしれない」ってのは、ちょっと苦しいと思いますけどね。
- 勿論、個人の楽しみにケチを付ける気はありません。
全体的に、blogそのもの以上に、テキストサイトとかニュースサイトとか、そういったblog前史的なものが多いのがよかったです。タイトルになっている「スローブログ」に関しては、もうちょっと深く切り下げてほしかったかも。
しかし、素でスローブログを実践してるような人は、そもそもこんな本を取らないんだろうなあ。