ことば遊びの楽しみ/阿刀田高/岩波新書

ことば遊びの楽しみ (岩波新書)


言葉遊びに富んだ小説が好きです。作者独特の言い回しが光っている作品は、話がさして面白くなくともそれだけで許してしまうことがありますが、さらにテーマと結びついているのなら言うことはありません。でも、考えてみたらそれって既に言葉「遊び」とは違うような気がするなあ。逆に、言葉遊びをデコイというか、目くらましに使ってるような小説は、あまり好きではありません。


それが高じてこの本も手に取ったわけですが……つまんなくはないけど、微妙といえば微妙かも。学問的に考察するか、紹介するにとどめるか、どちらかに絞ってほしかったです。あと、筆者の語り口が微妙に肌に合いませんでした。


……そういえば中村九郎って完全に消えちゃったのかなあ。NISIOISINにも負けない言葉遊びを繰り広げる小説を書いてくれると結構期待してたのに。残念。