2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ノーライフキング/いとうせいこう/新潮文庫

この指がつないだラインすべてに、ありったけの僕の情報が残りますように。もう一度、まことは祈った。いつかこの石を開く者がいれば、僕の力をすべて与えます。だから、忘れないで、まことを。 こどもたちが熱狂するCRPG「ライフキング」が徐々に現実を侵蝕…

かのこん(7)〜さよなら、オオカミ〜/西野かつみ/MF文庫J

北海道に修学旅行。この手の、アレな方向で人気を博した作品に立ちはだかる、読者の「ストーリーなんてどうでもいいんですよ!」という壁が一層顕在化しつつあるなあ、と。苦肉の策か、頻度を増してきたパロディがまあ嫌いじゃないので、読んでてまだしも面…

雷の娘シェクティ(2) 黒銀の公子/嵩峰龍二/富士見ファンタジア文庫

現実世界とアストラルっぽい世界(本編ではもっと厳密に区分されてるんだけど面倒臭い)の階層の違いを利用して悪戯、とか1巻と比べるとその膨大な設定を活かした話になってきた、のかなあ? 女性の生理がどうこう、って話はライトファンタジーで女性主人公…

僕の血を吸わないで(4) しとしとぴっちゃん/阿智太郎/電撃文庫

やや尻すぼみ気味。ネタを出し惜しみしないのはいいんだけど、乱発しすぎで焦点がぼやけてる気がした。

妖精作戦/笹本祐一/朝日ソノラマ文庫

ノリはほとんど変わってないのに、何故だろう、2、3年前に読んだ『ARIEL』と比べて辛い……。その間に作者の文章力が上がった、ってことなのかなあ。所々の台詞回しに時代を感じた。

おおきく振りかぶって#14「挑め!」

応援団とブラスバンドの気合の入りようがすげ―。臨場感たっぷり。これが初出場の西浦と強豪の桐青で、ブラスバンドの演奏の音一つとっても素人耳でも違いが感じられるのがよかった。いや西浦の方はトランペット一つだけなので、当然っちゃ当然なんだけど。そ…

ゲゲゲの鬼太郎#16「妖怪はゲームの達人!?」

女子校の制服とかゴスロリ服とかー。……んでも、自分としてはあんまり"媚びてる"って感じがしなかったのは、東映の絵柄が野暮ったく見えるから、なのかなあ。いや可愛いけど。そもそも猫娘のキャラデザにしても一気に可愛くはなったけど、別にオタクをメイン…

ライトノベルにおける文体の変遷の歴史、とか誰か書かないかなあ

http://d.hatena.ne.jp/gginc/20070714/1184372477 http://d.hatena.ne.jp/gginc/20070714/1184412696 http://d.hatena.ne.jp/sangencyaya/20070714/1184425146 http://d.hatena.ne.jp/ni-to/20070715/1184440825 http://d.hatena.ne.jp/tonbo/20070714/p1 h…

ファンタジアバトルロイヤルの定期刊行が途切れた?

2001年4月の「スレイヤーズVSオーフェン」から(……でしたよね?多分)始まって、ここしばらくは3ヶ月に1度、季刊ペースで発行されていたドラゴンマガジン増刊ファンタジアバトルロイヤルですが、いつもなら発売月である今月は、どうも発行されないみたいで………

中川某が嫌いって人は、単にその振る舞いが嫌いなんだと思う。ので、その手の知識が凄かろうがあんまり関係ない。 先月末、コンビニでコピーした運転免許証をその場に置き忘れてきたことに、一昨日まで気づかなかった。幸い、店員の人が保管しといてくれたか…

童貞/酒見賢一/集英社文庫

女性が主権を持ち、男性は卑しい存在である社会の話。創世神話みたいな雰囲気。『後宮小説』の時に感じたようなキャラクターの面白さ、というのは今回はなし。 女性の象徴である河を主人公がレイプするくだりでクラウザーさんを連想してしまって俺はもう駄目…

極東少年/小林めぐみ/角川スニーカー文庫

ゲーム感覚、無気力無感動な最近の若者、古代文明の遺産、退魔物。……なんとなく敬遠していた小林めぐみのシリーズの一つ。この辺りからこの人は「普通のヤングアダルト作家になってしまった」って声が多かったんだけど、なんとなく想像してた普通のヤングア…

食卓にビールを(6)/小林めぐみ/富士見ミステリー文庫

最後だからいって特別な何かがあるわけでもなく、あっさり完結。非常にこの作品らしい終わり方でしたが、これならストックさえ貯まればいつでも再開できそうだなあ、なんて思っちゃったり。 この作品の魅力、というのは軽妙な語り口だとか机上の空論(という…

怪物王女#13「生贄王女」

放映開始前に自分がメインビジュアル見て想像した雰囲気って、こんな感じだったなあ。 片足でけんけんぱっぱしてるところとか、あててんのよとか、生足とか、今まで微妙に存在感がなかった姫の可愛さカッコよさをなんとか引き出そうと腐心してるように見えた…

ゲゲゲの鬼太郎#15「働く!目玉おやじ」

可愛いクリーチャー、ってのを生み出すことができる人は凄いよなあ。

おねがいマイメロディすっきり♪#15「猛レースですっきり!?」

パロディであることを考慮しても、なんかノリが違ったなあ。ピアノちゃんの黒い表情とか、なんだか二次創作を見ているようだった。まあ元からそんな雰囲気が強い作品ではあったけれども。

エル・カザド#15「逆らう女」

元々他の真下作品と比べるとサービス過剰気味ではあったけど、今回はここらへんが限界かなー逆にこれ以上やっちゃうと視聴者に引かれるかなーというギリギリのラインだった。まあ絵柄的にあんまり下品なものにはなりようがない気もするけど。 変態の人はます…

MUSIC BOX症候群

深夜、NHKの「映像散歩」内で時々流される「MUSIC BOX」の邦楽編がやばい。年代ごとのヒット曲を当時の映像と一緒に流す奴。NHKらしい、とてもよくできた映像だけに、劇薬。『サザエさん』を見るよりよほど明日への活力が削がれる。夜通し飲んだ後で友人なん…

某所におけるエロ漫画の評価「がっかり」ってさ

導入で提示されたヒロインの嗜好、属性が覆されることで。つまり、冴えないメガネっ娘がメガネを外したら綺麗になったよ、という話に対してうるせえ俺は冴えない方が好きなんだよこれ書いた奴は何も分かっちゃいねえ!と言うようなものだと理解してるんだけ…

web上の文章に方言を使う人

ってたまにいるけど、あれは意識してやってるんだろうか。つまり、そもそもが普段からの思考言語が方言で、かしこまった場所でのテキスト以外それを変えないのか。それとも、blogなどでの文章はあくまで話し言葉の延長で、と考えているのか。あとは、そう、…

画像は町田の薬師池。閑静で落ち着いた雰囲気。こういうところを開拓するのは好き。 どう見ても70〜80歳のじいさんが、バイクのケツに同じくらいの年齢の奥さんを乗っけてブイブイ言わせてるのを見た。高齢化社会、かあ。 自分みたいな人間が、お知り合い、…

おもいで 二宮ひかる短編集/二宮ひかる

うーん、また一冊の本に不幸な嫁入りをさせてしまった。作家の方は(恐らく)何も変わってないのに、こっちの事情で作品が受け付けなかったりすると、申し訳ない気持ちになる。なんというか、風邪引いて食欲のない時に親の用意してくれた食事を食べ切れなか…

シルヴィーとブルーノ/ルイス・キャロル 柳瀬尚紀:訳/ちくま文庫

某小説家が何かのインタビューで挙げていた(こういう言い方を私がしてる時に指す小説家ってのは大体一人です)一冊。妖精界と現実界を行き来する男を主人公とする話。で、いいんだよなあ……?荒唐無稽な展開、ナンセンスな言葉遊び、なにやら難解っぽい構造…

雷の娘シェクティ(1) 天雷の剣/嵩峰龍二/富士見ファンタジア文庫

世界設定はガチガチに固めてあるのにキャラクターはなんだかライトノベルっぽい辺りがアンバランスな気がした。 巻末の設定資料に20ページ、あとがきに17ページっていう時点でかなり読者を選びそうだなあ。シリーズ物の1巻で設定資料、しかも「2巻以降も設定…

魔女を忘れてる/小林めぐみ/富士見書房Style-F

あの頃のぼくが好きだった富士見の走馬灯、6月集中刊行、トリを飾るのはこの人。秋田、ろくごと比べるとやや地味だけど、その分様々なものに挑戦してきたベテラン、小林めぐみ、デビュー17年目にして初の単行本。その内実はというと、どっかで「幻想ミステリ…

おおきく振りかぶって#12「応援団」

雨の日の室内練習だとか、昼間の授業風景だとか、珍しくアニメオリジナルの描写をちょこちょこ入れてましたね。丁寧なお仕事でよござんした。 教室での田島のオナニー発言で、モブの女の子が振り返ってきょとんとしているところは、どういう意図があったんだ…

流星のロックマン#39「飼われた狼,暴れる」

「ツンデレ幼女アニメーターが時給980円で素晴らしいエンディングを!(c)kashmir」を地で行くような。いやツンデレでもなければエンディングでもないですが。時給980円かどうかも知らないし。 とにかく幼女の動きが素晴らしい。先日スタッフの作品への愛情云…

エル・カザド#14「メイプルリーフ」

エリスの回想編。熱い恋の炎が盛り上がるのだった。時々挿入される格言は、なんか共通事項があるのかなあ。なんとなく演出に使ってみただけか。挿入歌のボリュームは真下基準。曲自体はよかったですけどね。 ミキシンの口調は、個人的には飛田展男とタメを張…

2007年7月の文庫・コミック発売予定

7/6:押切蓮介「でろでろ(10)」 7/9:中嶋ちずな「いいなり!あいぶれーしょん(2)」 7/10:小林めぐみ「食卓にビールを(6)」 7/19:花見沢Q太郎「REC(7)」 7/23:まだらさい「陰からマモル!(3)新装版」 7/25:くぼたまこと「仮面レンジャー田中」「天体戦士…

ブック批評:「カナスピカ」 「オーフェン」の秋田が描く “衛星”と少女のジュブナイル

http://mantanweb.mainichi.co.jp/web/2007/07/post_1172.html 展開は、一般文芸というよりむしろ「星虫」(岩本隆夫)などと通じるジュブナイルの王道。 自分みたいな絶対的な読書量の少ない人間と、書評家の人の連想するものが被るとは思わなかったよ。