おもいで 二宮ひかる短編集/二宮ひかる

おもいで―二宮ひかる短編集 (ヤングキングコミックス)


うーん、また一冊の本に不幸な嫁入りをさせてしまった。作家の方は(恐らく)何も変わってないのに、こっちの事情で作品が受け付けなかったりすると、申し訳ない気持ちになる。なんというか、風邪引いて食欲のない時に親の用意してくれた食事を食べ切れなかった場合の罪悪感、というか。こういうことがないように、買う前にちょっとでも嫌な予感がしたものは買い控えしてたんだけどなあ。


さておき、女性作家の人が描く男性主人公、という観点からするとこの人のそれは嫌いじゃないんだけど、やっぱり理想らしきものがちょこちょこ垣間見えるのが面白い。多分この人、かっこいい男が時折駄目な場面を見せるってんじゃなくて、駄目な男が時折かっこいい場面を見せるって方が好きなんだろうな―とか。いやまあなんとなく。


あと、引っ越してきてすぐ荷物も解かない状態で素の床の上に組み敷いて〜とかも『ナイーヴ』の最終回でもやってたし、作者が好きなのかなあと思いました。