ライトノベルにおける文体の変遷の歴史、とか誰か書かないかなあ

http://d.hatena.ne.jp/gginc/20070714/1184372477
http://d.hatena.ne.jp/gginc/20070714/1184412696
http://d.hatena.ne.jp/sangencyaya/20070714/1184425146
http://d.hatena.ne.jp/ni-to/20070715/1184440825
http://d.hatena.ne.jp/tonbo/20070714/p1
http://d.hatena.ne.jp/tukinoha/20070714/p3


自分はわりと文体を気にする方だとは思うけど、ラノベ専の人だからなあ。一般文芸と比べてどうこう、ということは言えないんだよなあ。でもまあ、自分の認識してる、ライトノベルにおける文体の主な派閥?分類?ってのを考えてみると、

  1. 物語の中で起こったことをそのまま書き連ねていく脚本家文体。会話文多め。……えーと具体例がぱっと思いつかない
  2. 擬音やフォントいじり、改行を多用する漫画っぽい文体、神坂一あかほりさとる阿智太郎など。一時期はライトノベルといえばこの辺りを指していたけれど、最近はあまり過剰なものは駆逐されていっている気がする。
  3. 1、2の反動?からか最近増えている饒舌な文体。西尾維新など(から派生した)ファウストっぽい人たち。言葉遊びなんかも好き。思春期の自意識が云々、とかよく言われる。
  4. 文章というよりはテキスト、縦書きの紙媒体より横書きのメッセージウィンドウやブラウザ上が似合いそうな文体。竹宮ゆゆことか桑島由一とか滝本竜彦とか。エロゲライター出身者によく見られる。


こんな感じ。これらだけでライトノベルが成立してるってわけでは勿論なくて、自分が大雑把にでも分類できるのがここらへんってだけ。で、以前は例外は幾らでもあるにせよ1、2が大勢をしめてたのが、今現在では2の中でも過剰な、一昔前にライトノベルといって多くの人が想像したような「ページの下半分が真っ白」といったようなものは大分駆逐されて、代わりに3、4が増えてるなあ、という印象。といっても、ここらへんは最新事情を追ってる人に聞くとまた違うのかもしれない。


ちなみに、自分が文体について面白いと思った/好きな作家or作品は大体下に挙げてるようなやつ。



言い回し。


蓬莱学園の初恋! (富士見ファンタジア文庫)

蓬莱学園の初恋! (富士見ファンタジア文庫)


講談調、というらしい?後になるにつれてより衒学的に。


大久保町の決闘―COLLECTOR’S EDITION (ハヤカワ文庫JA)

大久保町の決闘―COLLECTOR’S EDITION (ハヤカワ文庫JA)


テンポのよさ。



軽妙な。


夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

GOTH―リストカット事件

GOTH―リストカット事件


いたって普通なんだけど、味気なさ過ぎて生きている人間の体温を感じさせない、というか。


ひとつ火の粉の雪の中 (富士見ファンタジア文庫)

ひとつ火の粉の雪の中 (富士見ファンタジア文庫)


翻訳調?



怒涛の勢い。


悪魔のミカタ―魔法カメラ (電撃文庫)

悪魔のミカタ―魔法カメラ (電撃文庫)


ややはしゃぎすぎの感もあり。


七姫物語 (電撃文庫)

七姫物語 (電撃文庫)


素朴で温かみのある雰囲気(これは文章ではなく作品自体の雰囲気かな……?)


小説 エマ (1) (ファミ通文庫)

小説 エマ (1) (ファミ通文庫)


単語の選び方が。


ロクメンダイス、 (富士見ミステリー文庫)

ロクメンダイス、 (富士見ミステリー文庫)


ポエム、とよく形容されます。


荒野の恋〈第1部〉catch the tail (ファミ通文庫)

荒野の恋〈第1部〉catch the tail (ファミ通文庫)

少女七竈と七人の可愛そうな大人

少女七竈と七人の可愛そうな大人


意識的に文体を変えてるっぽいけど、この二つは甲乙つけ難い。


……あー、でも、ここまで書いて、まいじゃーさんの言ってる「魅せる文章を書く作家さんだって大勢いるわけですが、そういう方は大抵境界型作家と呼ばれる存在にシフトしていきます。」って当たってるかもなあ、と思った。


あと、ライトノベルの文体、と言えば思い出すのがこのパスティーシュ。元ネタを知ってれば知ってるほど爆笑。というか滝本竜彦ははまりすぎ。