メディア別の物語没入度

漫画のことを思い出すときなかなかその絵が印刷されている「紙」を持つ「おれの手」や、本のフレーム外にある床の景色とか、そういったものまで記憶に残っていない。純粋漫画体験というには遠かろうけども、わりと視界に対して漫画の絵以外の情報がないというような状態で切り抜かれて記憶されている。ゲームの場合にはもうちょっと没入感が高く、それはもちろん画面に占める面積や画角が漫画よりダイナミックかつインタラクティブだからだが、まあちょっと脱線した


http://d.hatena.ne.jp/matakimika/20061121#p3


どのメディアがどれだけ作品内世界に引き込まれやすいか、って話なんですが、ちょっと考えてみた。個人的なケースを書いてるので、人によって違うと思います。

  • 基本的に文字媒体は没入度高め。ぼーっと見ててもなんとなく粗筋くらいは分かる映像と比べて、こっちがある程度能動的に理解しようとしなきゃいけないから、自然と集中するのかもしれない。ただ、その分疲れるので飽きやすい。ヴィジュアル世代ですから。
    • ぼーっと見てても理解できるからといって映像だけの媒体が飽きにくいかというと、実はそうでもない。ぼーっと見てればいいだけというのは、逆に言うと手持ち無沙汰な状態でもあるわけで。例えば本ならページをめくったり、サウンドノベルならマウスをクリックしたりと、手慰みがあるわけだけど、2時間も3時間も映像を観てるだけ、というのはかなり苦痛だったりする。
      • じゃあどのくらいの時間ならいいのかというと、これは多分自分がアニオタだからだろうけど、15×2の30分くらいが、映像を観ているだけという状態を持続できる限界というか、理想値かもしれない。それ以上は片手間に実況でもしないとダレてくる。というわけで、自分にとって映画館はその作品の面白さに関わらず、途中ダレることを覚悟していく場所だったりする。
  • 目と対象との物理的な距離も一要因。つってもつまらない話で、例えばテレビを見ている時、その上に乗っている鏡餅だとか、視線上にあるリモコンが目について気分を削ぐことがある。対象との距離が遠ければ遠いほど、邪魔なものが目に入ってきて気が散りやすい。よって、例えば同じゲームをする場合でも、TVとPCではPCの方が視界に占める面積が大きいので、没入しやすい。近視眼的っつーか、視野狭窄っつーか。さらに、同じ理由からPCゲームなどの場合、ウィンドウモードよりフルスクリーンモードのが上。
    • 遊園地にある3Dシアターとか、視界全体が物語空間となるわけで、そういう意味では最強かも。
  • 雰囲気に合ったBGMはより物語に没入させやすくなる。イヤホンで聞いてると2倍増し。
    • サウンドノベルの音声は微妙。結局アレって地の文まで読んでくれるわけではないので、素直に表示される文章を追っていくだけの方が、自分のペースで読みやすいと思う。一度視覚で認識した文章をいちいち朗読されるというのも、なんだかいらいらさせられる。ああいう音声を求めるのは、せいぜいエロゲーのエロシーンとか、あとは好きな声優が声当ててたりする時くらいかなあ。
  • 小説(特にライトノベル)の場合、本文中の挿絵はそれまで文字を読んでいた流れが阻害されるので、単に物語を楽しみたいだけなら、ない方がいいかもしれない。それがアニメ的なイラストであっても抽象画であっても。少なくとも、現時点では絵本やビジュアルノベルほどの活字とイラストとの融合が出来てるとは思えないし。それでもイラストを求めるのは、オタクとしての好みと、まあライトノベルで育ってきた人間だから。
  • アウトドアとインドア、一人でいる時と誰か知り合いといる時でも勿論違ってくる。リラックスできる自分の部屋で、自分一人で、というのが何をするにしても没入しやすい。少なくとも、知ってる人の前で本は読めません。


以上を考慮すると、


PC用ノベルゲー>>>漫画>>>小説>>>コンシューマーノベルゲー>>>(自宅のTVで視聴する)映像>>>(映画館で観る)映画


こんな感じ。なお、ノベルゲー以外のゲームは、ここ数年まともにやってないので省きました。