同人誌を手放すということ

スペースの問題から、同人誌の一部を泣く泣く処分する。ここ2年は即売会に足を運んでないし、同人ショップで購入する習慣はないのでほとんど増えていないのだけど、自分としては結構な量があった。でも、同人誌って商業出版物と違って定期的に放出しようという気にはなかなかなれないんだよなー。


まず、何よりも同人誌は一度手放してしまうともう一度手に入れる、ということが容易じゃない。それは単純な流通量の問題もあるし、過去の出版物を網羅してるようなサイトも今のところないので、内容だけ思い出してもタイトル・サークル名などが分からないとどうしようもない。その即売会でしか手に入らない出版物、というのはそれ自体が思い出を内包する、ということもある。今時趣味でやるならwebで公開する方が作り手も受け取り手も楽だろうにそれをしないというのは、双方共に紙媒体、というか形として残るものに何らかの意味を見出しているということなので(まあそっちの方が金銭の行き来がスムーズになる、ってことも大きい気がするけど)、jpgデータだけ持っててもあんまり意味がない。直接手渡してもらったものが大部分だし、作家の人との結びつきが商業出版物より強いので、手放そうとすると「これ作った人はどう思うんだろうな」なんて柄にもないことを考えてしまう。


まあ「面白い本なので手放したくない」というのが分かってればアレコレ悩む必要もないわけで、もうこの時点でその本とは不幸な出会いをしてしまってる、とは言えちゃう。つまり、買う時にはそれが自分に必要なものかちゃんと考えましょう、物を見る目を磨きましょう、ってつまらない結論になっちゃうんだけど、即売会に行くとどうしても舞い上がっちゃって感覚が狂うからなー。それを恐れてここ最近は行ってないんだけど、処分のため過去に購入した同人誌を眺めてる内にまた行きたくなってきた。……ああ、関谷あさみとかプロとしての活動を知る前に買ってたんだなあ。こういう繋がりを見るとなんか嬉しくなる。偉いぞ過去の自分。お、オーコギ本。今となってはこれを眺めるのも複雑な心境だなあ。作った人も複雑だろうなあ……。