• 南口にビッグカメラができたりそごうが潰れたりオタクショップが乱立したり忙しないなあ八王子
  • 疲れてる時は甘いものが欲しくなるけど部屋にそれっぽいものがないのでカクテルパートナーでお茶を濁す。糖分には変わりないよね。
  • 若い女性が電車から降りる時、提げてるスーパーの袋に鞄をぶつけてしまった。中身、感触からして卵のパックっぽかったけど大丈夫だろか。声をかける暇もなかった。
  • 俺はいつの日かバスから降りるところを自転車に追突されて死にそう。人間ってバスから降りる時無防備すぎませんか。/疲れてるのに早く帰りたくて気が急いてる時とか特に、勢いよく飛び降りすぎなんだよな。
  • 昨晩が嘘のような快晴。屋根に積もった雪が溶けて地面に跳ねる水音が聞こえる。
  • ラーメン作る時、スープと麺を別の鍋で煮て野菜炒めも載せたい場合、コンロが足りない……
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ギャルゴ!!!!!(1)〜(6)/比嘉智康/MF文庫J

ギャルゴ!!!!!―地方都市伝説大全 (MF文庫J)

ギャルゴ!!!!!―地方都市伝説大全 (MF文庫J)

ギャルゴ!!!!! 6 (MF文庫J ひ 1-6)

ギャルゴ!!!!! 6 (MF文庫J ひ 1-6)


アララギさん、上条さんなど近年ハーレム系作品の主人公が読者にさん付けで呼ばれるということがある。おおむね、自称一般人で、特別な能力など何も持ってないのに過剰に英雄性が高い、そんな主人公をネタ混じりに指す言葉だと認識している。数年前に流行ったクラウザーさんからの流れもあるのかな。このシリーズのギャルゴさんもそういった系譜に連なる主人公であり、中でも群を抜いて好感度が高かった。


基本的にはご近所退魔もの。主人公の中学生・春男はおばあちゃんの遺志を受け継いで、「地方都市伝説」が引き起こした事件を解決していく。獲物は物干し竿。相棒は下ネタ大好きなグラマー人形のエリアス。既に完結済みで、「地方都市伝説大全」「地域限定焼餅大全」「地上最強G級大全」「地獄天国直通大全」「地伝英雄逃亡大全」「地上波初登場大全」の全6巻。1巻は第3回MF文庫Jライトノベル新人賞最優秀賞受賞作。


とにかく主人公である春男がかっこいい。普段はギャルゲーゴッド略してギャルゴと呼ばれるほどのギャルゲーの達人しかしてその正体は人知れず街を守るヒーロー。やたら精神年齢が高く、時々アンタほんとに中学生か!?と突っ込みたくなるけど、地の文の語りがキザ過ぎる辺りとか、大人に変身する魔法少女みたいに、そういう子どもの理想みたいなものを身をもって演じてるんだなーと思うと納得できる。そりゃ、読者だけでなく―――というかこっちが先だったんだろうけど―――作中の、我々読者を体現したかのようなクラスメイトたちからもさん付け、様付けで呼ばれるわ。ハーレム物とは言え、基本はメインヒロインである天然少女・コトリ一筋。他ヒロインに比べちょい魅力薄いけど、そういう娘に惚れてるほうがかえって主人公としての好感度上がることってあるよなあ。逆にハーレム主人公の特殊スキル鈍感力を発揮しまくりの春男に全く相手にされてないツンデレ少女のライムもフラレナオンとして可愛くて、これはこれでおいしい。


また、子ども向けヒーロー物でたまに「テレビの前の君たち」に呼びかけるように、ギャルゴさんによる一人称での地の文で、しばしば読者である我々に語りかけてくるのが興味深かった。前述した作中のキャラによるさん付け、様付けと合わせ、この二点によって英雄ならぬ身の自分はある程度視点人物であるあるギャルゴさんから適切な距離を取って、女の子にモテたい&英雄願望という昔からの男の子の欲求を存分に満たすことができた気がする。

ブギーポップ・アンノウン 壊れかけのムーンライト/上遠野浩平/電撃文庫

  • 中学生の男子グループと女子グループが交錯する時、物語は始まる。かどちんの描く男女交際って、最初から男女混合のグループができあがってるものが多いので、今回は「ちょっとやめなよ男子ー」「うるせーぞ女子!」的な、なんというかお互いに男子コミュ女子コミュに属しててその立場からのやりとりというか、そんなものが見れたのは嬉しかった。男子グループだけになるとクラスで好きな子の話で盛り上がったりとかそういう。
  • 表紙にいるだけあって藤花が当事者としてわりと出張ってた。友達の目から見た人物像とか結構新鮮だった。でもこれって一部の人が言う「本編」――勿論、それはシリーズ全体を繋ぐ縦糸で、多くの人が期待しているものであるとしても、必ずしも話に必要ではない―――が、今までどれだけ進んでなかったかってことでもあるよね。彼らの言う本編を進めようと思ったら、ブギーさんの宿主である藤花について語らないわけにはいかないんだし。
  • その一方で当事者として藤花が事態に直面してる時にブギーさんが出てきて、藤花の友人と喋りだしたりするので、ブギーさんと藤花の境界が曖昧になったりした。今回出てきてないけど、竹田くんに対してはブギーポップとして接してるのに対し、藤花の友人たちに対しては、あくまで藤花のいち人格として接してるようにも見えたんだよなあ……。ブギーさんやプーム・プームみたいな存在が他にいるかも気になる。
  • 「まるでブギーポップみたいな顔してるわよね」「そういう君は、プーム・プームみたいだよ」の辺りの対峙はやたらかっこよかった。
  • プームプームと呼ばれる存在は出てきたけど、アニメとそんな繋がりがあるわけではない……かな?風船を持ってる帽子かぶった少年とか、光る蝶とかイメージ的なアイディアだけ逆輸入した感じなのかしら。アニメの内容ちゃんと把握してないのでにんともかんとも。しかし「崩壊のビート」といいかどちん案外こういうお遊び好きなのね。
  • 「この世にカレーが嫌いな人間なんているわけがない」とか「呼ばれて飛び出て―――でも、代理だけどね」とか「ダンスしようぜ!」とかネタ分も豊富だった。
  • こと、ブギーに関してはいつも今の僕のセンス勝負。 雰囲気変えているのではなく何も考えずに今好きな絵を描いてます。 今回はどのイラストも睫毛を強調してるなあ、とは思った。一つ目の扉絵を表紙のほうに持ってこなかったのは勝負に出たなあ、とも。

ダークロード(1)(2)/十月ユウ/富士見ファンタジア文庫

ダークロード  漆黒の断罪者 (富士見ファンタジア文庫)

ダークロード 漆黒の断罪者 (富士見ファンタジア文庫)

ダークロード  2.戦陣の姫君 (富士見ファンタジア文庫)

ダークロード 2.戦陣の姫君 (富士見ファンタジア文庫)


現代の文明が一旦滅んだ後の世界で「貴族」が平民を支配してて、主人公は最強美青年で、エロあり。菊地秀行好きなのかなあ。そもそも「ダークロード」ってまんまだよね。あらすじの割に主人公の口調は軽くて格調高さとかほとんど感じないし、コメディタッチなのもあって作品全体の雰囲気は全く似てなかったけど。主要キャラの一人であるジジイショタの名前が「京夜」なのも狙ってるように思えてくるぜ。


しかしこう、富士見はエロに関しては時々言い訳不能なレベルで直接的なのをすごいあっけらかんと出してくるよね……。スニーカーとかガガガは全体的に対象年齢が高そうな感じなので、そういうのが出てきてもあんまり違和感はないんだけど……。

EAT-MAN 殺しの遺伝子/真下耕一/電撃文庫


ネジでも銃でも、食べたものを手から再生することができる世界一の冒険屋、ボルト・クランク。その活躍を描く吉富昭仁の漫画を、真下耕一監督がアニメ化。さらにそれを監督自らがノベライズしたこの小説は、アニメ1話のゲストキャラ・詐欺師のキュレネが依頼を受け、ボルトを追う。

混乱から回復して気がつくと、私の心が自然の一部に還ったことを思い知らされた。
私という自分が、どうしてあの男を愛してしまったのか。
赤裸々な言い方をすれば、私がなぜ光を必要とするのか。
私自身が私に問うための十二日間の記録と設問。


真下アニメの分かりにくさって饒舌なわりに肝心なことは何も言わない、ひたすらに回りくどいことが要因で、(脚本が誰であっても)難解な用語や設定が出てくるわけじゃないと思ってたんだけど、そういうのって映像媒体だということを意識してやってたんだなあとこの小説読んで思った。基本が人情話だった原作・アニメと違って、ボルトの過去が語られる上でSF的設定の比重が高く、生物工学やらなんやらその手の用語も多いし、荒廃した未来っぽい世界を描写する文章、登場人物の言い回しも凝ったものが多い。時々ちょっとサイバーパンクっぽいところも。いずれにせよ、アニメ監督や脚本家が書く小説、というもののイメージからは大きくかけ離れていた。押井守みたいにアニメも小説もそんなにイメージ違わないならあまり驚かないんだけど、この小説は根幹のテーマとかは紛れもなく真下耕一のものなのに、それを表現する上で差異が生まれてるというか。まあそれって本来当然のことなんだけどさ。真下アニメのちょっとしたファンとしては、今のところ唯一の小説作品であるこれはとても興味深く読んだ。