2007-11-22から1日間の記事一覧

月と貴女に花束を(2) 妖龍の少女/志村一矢/電撃文庫

ラブコメ分が足りない。前巻ではラブコメ:バトルが4:6ぐらいだったのが、今回は2:8くらいでがっかり。

サイコダイバー・シリーズ(3) 魔獣狩り/夢枕獏/祥伝社ノン・ノベル

文成仙吉の物語だった、という作者の言葉に嘘はなかった。凄惨な、血みどろの物語の中に紛れ込んだ叙情性。仙吉が既に冷たくなっている女の死体を抱くシーンは、この物語を読む価値があると思わせるのに足る物だ。エログロ伝奇の中心的な存在と目されている…

風の大陸 第八部 天命の大地/竹河聖/富士見ファンタジア文庫

首都を襲う大津波。ティーエとイルアデル、魂の双子による交歓。アドリエ編のクライマックスを飾るにふさわしい盛り上がり。……と言いたいところだけど、惜しいなあ。マレシアーナの心の動きとか、もう一押し。もう一押し何か欲しかった。 しかし、津波の被害…

風の名はアムネジア/菊地秀行/朝日ソノラマ文庫

廃墟の雰囲気はいいんだけど、うーん、やっぱりこの人は自分には合わないのかも……。と言いつつ、とりあえず代表作くらいは触れておく。

陰陽師 飛天ノ巻/夢枕獏/文春文庫

何かに駆り立てられるようにシリーズ物を貪り読む日々ですが、この作品はちょっとずつ、ちょっとずつ読み進めていこうと決めています。今回も、晴明と博雅の掛け合いを、洗練された獏さんの文章で十分に堪能しました。「鬼小町」のような大きなスケールの話…

なんて素敵にジャパネスク(3) 人妻編/氷室冴子/集英社コバルト文庫

人妻になって、アダルトな雰囲気が増し、作中ピンク色一色。……でもいつまでもいちゃいちゃやってるわけにもいかず、なにやら暗雲が垂れ込めてきたところで、次回に続く。瑠璃姫が結婚して大人しくなったなあと思ったら、あとがきで作者の人が「この頃は幸せ…

なぞの転校生/眉村卓/角川文庫

表題作他「侵された都市」を収録。 眉村氏はテレビっ子のためにふさわしくセリフをうんとふやし、会話劇に近い手法をとっているが、これは彼がテレビ漫画のシナリオをかなり手がけてきていることからの影響であろう。じつをいうと、眉村氏自身、漫画を書いて…

薬師寺涼子の怪奇事件簿 魔天楼/田中芳樹/講談社文庫 

あたしは無欲な人間だからね。欲ばりどもみたいに、世界を平和に、とか、全人類を幸福に、なんてだいそれたことは願わないの。あたしひとりが幸福なら、それ以上のことを要求しないわ。謙虚でしょ? 「あたしの車をよけきれないような奴に、運転免許を与える…

ARIEL(4)/笹本祐一/朝日ソノラマ文庫

(前略) アニメファンとの共通言語を内包する文体で、読者の支持を得てきた作者により執筆の際に提示された基本設定がこれである。 キーワードは、メカ、美少女、爆発…… まさに、そのころ流行していたアニメの一傾向のストーリーを小説というメディアで展開…