ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 in TOHOシネマズ府中(すたぶ)


「序」の時は初日の新宿ミラノだったんだけど、今回は前回公開前より宣伝が多く注目度も高いので、行列を避けて近場の府中で観ることに。二日前にインターネットで座席予約して、ほぼスクリーン正面中央を余裕でゲット(やっぱり座席指定だとA-17とかが人気だったりするのかしら……)。実際の鑑賞時には座席は8、9割埋まってた。


さて、今回は1〜6話をベースとしていた前回から7話を飛ばして8〜19話(流れとしては23話まではやっちゃってる気もするけど)をベースとしていたものの、新規エピソード多めの上、同じ台詞やエピソードでも時間軸や意味が違ってきたり、間違い探しが意味を為さないレベルにまでなっていた。



アクションパート

は、どれも面白かった!序のラミエルは否定派……とまではいかなくとも、その忙しない変形にえ〜?みたいな感じだったんだけど、今回は味をしめたのかぐりぐり動いてぐりぐり変形するのばっかりで、ここまで徹底されると白旗を揚げざるをえない。


主なバトルは、新キャラマリの仮設伍号機VS骨々第3使徒、来日したアスカの弐号機VS時計みたいな第7使徒、零初弐号機VSサハクィエルをベースとした空から飛来する第8使徒、初号機VSバルディエルをベースとした第9使徒(に乗っ取られた参号機)、零初弐号機(弐号機にはマリが搭乗)VSゼルエルをベースとした第5使徒。どれもTVシリーズにおける複数のアイディアを混合してるっぽいところが見受けられた。弐号機が「瞬間、心、重ねて」を彷彿とさせるキックをかましたり、第10使徒が零号機を取り込んだり。鳴り物入りで登場したのにあっさり使い捨てられた伍号機(あの足は無理やりシンクロさせてたらしい)には合唱。個人的には、第8使徒を受け止めるために初号機が走りやすいよう、第三新東京市が道と踏み台に変形してく辺りが馬鹿馬鹿しくて面白かったかな。弐号機のビーストモードは、制御棒が背中から出てくるところがよかった。


ちなみにそれぞれの使徒のデザインは第3使徒鬼頭莫宏、第7使徒小松田大全コヤマシゲト、第8使徒前田真宏本田雄、らしい。弐号機は旧シリーズで人気がいまいちなかったのが「二つ目と角がないから」と判断され、今回のデザイン変更に至ったらしい。

日常パート

はこっぱずかしくて変な汗がいっぱい出た。シンちゃんに触発されて綾波・アスカが料理を始めてみたり、という展開もそうだけど、アスカinペンペン風呂の乳首隠しとか、アスカの縞パンとか、マブラヴみたいなアスカの透け透けプラグスーツ(なんかアスカばっかりだな/てかあれはドラマCDネタかむしろ)といったサービスシーンが、ありていに言って、拷問だった。アレなSSを読んでいるかのよう。やーまあTVシリーズにしてからがこの頃はコメディ要素多かったし、ガイナだし(はいはいカラーカラー)、で納得できなくはないけど……。メカ関係でスタッフの想像力が全開になってるのと比べてベッタベタな演出ばっかりなので、また学園エヴァ的オタ批判か!と身構えてしまう。「どーせこの後持ち上げて落とすためにわざとやってんだろー」と思ってて、アスカがあんなことになったけど、次回予告であっさり復活してるし。


こんなこと考えてしまうのは、自分がいまだに旧シリーズを引きずってるからなのかな。EOEであんなことになってた綾波の乳首ですら、喜んでる人が結構いるみたいだし。物語としてはEOEで自分の中でも終わってたんだけど、既存キャラクターに対する愛着はあの時一気に薄れた。だから、新キャラのマリが出張ってるシーンは逆に安心して観ていられた。当時EOEに否定的だった和月の感想とか聞いてみたい。まー今回のアスカに関して言えば可愛いは可愛いんだけどな。寝返りで胸が揺れるところとか。

キャラクター

別に見ていくと、新キャラのマリは現時点ではいまいち目的などが掴みきれず。でも、今までのエヴァにはいなかったトラウマなしの快楽主義者のインパクトはすごかった。しあわせは〜歩いてこない(ガションガション だ〜から歩いてゆくんだよ〜(ガションガション。坂本真綾エヴァだからどうってわけではない自然ないつも通りの声で、なのにあの世界に馴染んでた。パンフによると「今まではどちらかというと優等生的なキャラばかりやってきたので持ち味とは真逆」の印象があったらしいけど、言われてみればそうか。「昭和的な親父」ってのは真綾本人の印象にも合致してて、ハマり役だと思った。『リスキー・セフティ』で「てめえ、昨日他の女といちゃついてただろ!」という台詞を聞いてから10年、俺はこういう役を待ってたんだ!「破」を象徴するキャラクターって割に他とあんまり絡まなかったのは残念。次回はカヲル君を押しのけるくらいの活躍を!あと山ちゃんとは何かと縁があるな。


アスカは、前述した通りベッタベタなキャラになっていた。トウジと参号機の起動実験を替わったことでお話的に何が変わったのかはまだ見えてこない。ああ、みやむーの演技は違和感なかった。逆に林原めぐみの演技は序の時点でからすごい変化してたんだけど、今回の綾波見て、ああ、これを受けてのことだったんだな、と確信した。当時セルフパロディとか思っちゃってごめんなさい。これで心置きなく「俺はTVシリーズ綾波(二人目)が好きだ」と言える。「綾波を返せ!」とは言うまい。


シンちゃんが積極的になったのは言うまでもないけど、こと「男の戦い」に限って言えばTVシリーズだって初号機の暴走はシンちゃんの意志が招いたものだったんだよな。でも一方ではシンちゃんはLCLの海に溶け込み、もう一方では前歯へし折ってやる状態に。この違いは……それまでの積み重ねの賜物?


加持さんは、ミサトさんネルフに入った理由そこでアンタが言っちゃうのかよ!と思ったが、シンちゃんに「葛城を守ってくれ」という辺り、自分のその後のことをある程度悟ってるからなのかな。

その他

  • 円谷プロの協力ってカラーのロゴが出る時のSE「ジョワッ!」か。なんか他にも色々あったみたいだけどウルトラマン詳しくないから分からなかった。
  • ネルフ本部で加持さんとミサトさんがお茶してるところのシーンは施設がやたら開放的且つ健康的。またマヤちんの通勤シーンなどに代表されるように基本的に人がいっぱいで、TVシリーズの虚無的な街という雰囲気は薄れていた。
  • お弁当、居酒屋など食事シーン、ひいては生活臭い場面が多め。
  • 序ではペンペンの説明が追加され、今回は海洋生態系保存研究機構で赤くい海を青い海に戻そうというプランが。
  • 綾波とゲンドウが一緒に食べるシーンで副司令が端の方に立ってた?一緒に食えよ、と思ったけどあの面子で進んで一緒に食いたいとは思わないか……
  • ミサトさんの「奇跡を待つより捨て身の努力よ」がリッちゃんの「奇跡を待つより地道な努力よ」に。
  • バカチン条約によりエヴァの各国保有数は3機までって、エヴァは国のものなのか。
  • ダミーシステムのギミックかっこいいな。
  • シンちゃんがピラミッドの上で足踏みしてるのは、EOEで幼い頃のシンちゃんが砂の城を壊してたのを被らせた?
  • 零号機を取り込んで信号がエヴァのそれになったからセントラルドグマを素通りできる、ってのは面白いな。そんな設定だったのか。
  • シンちゃんのS-DATはゲンドウが置いていったものらしい。ゲンドウが若い頃から使ってたとすると、20年級?物持ちいいなあ二人とも。
  • CGがかなり多め。使徒エヴァはいいんだけど、車とかはちらほら違和感が。
  • バルディエル戦で今日の日はさようならゼルエル戦で翼をくださいが流れる。
  • 「「今日の日はさようなら」はなんなんだ」「明日の日を 夢見て」だから明日日(アスカ)なんだよ!」

次回 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(Quickening)

観終って劇場を出る。そういえば京王線沿いに長年住んでるけど、この駅で降りたのって初めてだな、と思い立ちぶらぶらと歩く。並木通りは休日昼間に散策するにはちょうどいいな。
次回はQ。この上サービスとか要らないので、スタッフがやりたいように作ってくれることを期待します。あ、あとパンフに封をするならもう少し剥がしやすい素材で。