BASTARD!!-暗黒の破壊神-(26)/萩原一至

BASTARD!! 26 (ジャンプコミックス)


大昔の読み切りを収録して水増ししたとは言え、前巻からたったの1年で出た新刊。過去3巻分の帯に笑った。


ウリエルとアムちゃんかわいそうです(´;ω;`) ⇒D・Sパワーアップ⇒蝿「計画通り」⇒ラファエル「やめるんだD・Sー!」を何度繰り返したのかと思ったけど、終わってから一気に読み返してみるとそれほどでもなかった……ような気がしてきた。前にどっかでハギが「少年漫画の王道である、殴りあって分かり合うという展開をやりたい」と言ってた通りのラスト。蝿の人のアホ面にはスッキリした。アムちゃんはこれからD・Sのハーレムに入りそう。コンロン妹は何のために出てきたんだ。リリス=ヨーコさん(?)の「戦いを終わらせることが出来る」ってのは、方舟編での原罪云々に対する答えなのかもしれないけど、現状だと宙ぶらりん気味(あの人がどういう過程を経てああいうこと言い出したのか分からないので)。


背徳の掟編のネガ要因の一つである「脇役が色気出してんじゃねえ!」については、結局最後まで変わらず。むしろお涙頂戴の描写を重ねるごとにウリエルに好感が持てなくなっていった。過去の蓄積がほとんどないこのパートからの(ほとんど)新キャラだからなのかなーと思ったけど、話の密度も濃かった頃は魔戦将軍とか侍とか一斉に出しても少ない描写でキャラが立ってたことを考えるとな。やはし方舟編から数年間の空白がいけなかったんだろうか。


ただまあ話が進まない原因であるところの微分され過ぎた展開も、精緻な想像力の証。というのはまさにその通りで、これはもうこういうものだと割り切って、肥大化するイメージとそれを紙の上に具現化する描写に最後まで付き合うことにするよ。多分。この作品だけを追っかけて生きてるわけではないし、待てなくはなかろ。だからハギも「まるで10年もの歳月を1年に凝縮(以下略」みたいなことはやめるんだ。この芸風で20年やってきたんだから無理か。


で、次から方舟-地獄編に突入するらしいんだけど、これが新展開以上に不安だ。ただ中断してただけならまだいいんだけど、既にその先の話が10年以上も描かれちゃってるし、一度切れたこっちのテンションをあの当時まで引き上げるのは至難の業。どういう繋ぎ方するんだろう。誰かの回想という形を取るのかな。


20年前の読みきり「ヴァージン・タイラント」は今で言うツンデレのテンプレみたいな話。真面目なメガネ男子と高飛車なお嬢様と庶民代表のクラスメイト。展開は本人もコメントしてるように成り行き任せで、尻切れトンボに終わってるんだけど、それだけにテンポがよく、これがバスタと同じ「漫画」なのかーと驚いた。つーか面白い。今はもう懐かしい八重歯の表現が落ち着く。ラブコメ描いてても人気出たんだろうなー。ヒロインが「留美子様」だけに、サンデーの漫画みたいだけど。留美子様!!留美子様!!留美子様!!