ひだまりスケッチ(4)/蒼樹うめ
- 『のだめ』のアニメとか見てて思うけど、フィクションの中で名画とか名曲とかを表現するのって難しいよなあ。いや、有沢さんの描いた絵の話なんだけど。「すごく上手……でもそれだけじゃなくって存在感があってあったかい素敵な絵―――」ってそれいつものうめてんてーの絵やがな、という。こういう時は演出でどうにかそれっぽく見せるか、いっそ実物を描かないか、が賢いのかなあ、なんて。
- 「グラマー!!先生大得意ですよー」ああグラマーってそういう……。これに限らず、二重三重の意味を持たせるってのこの作品では多い気がする。
- ふと思いついた面白い4コマ漫画の条件。タイトルの意味が、詠み終えて初めて「ああ、これってこういうことだったんだ」と腑に落ちること。
- 「卒業おめでとう!」のページが最終回に見える。ゆのっちと宮ちゃんは既に卒業して美大に通ってるけど実はまだひだまり荘にいるのです、的な。
- 砂糖菓子のヒロさんは痩せられない―――A lollypop or a diet.
- 新入生2人について。名前から連想したわけじゃないけど、IT革命の子は『マリみて』でいうところの乃梨子さんかなあ。ツッコミ役。汎用性は高いしなずな氏とはいいコンビだけど、今はまだこれという特徴はなさげ。なずな氏は、作中で言われてるけど男向けコンテンツでああいう感じのモテキャラって珍しい気がした。エロゲーギャルゲーでもそうだけど、外見が可愛いんだけど性格が変わってるとかなんとかで、世間一般の恋愛レースから逸脱させて、平凡な主人公が攻略していく隙(と言ったら身も蓋もないけど)を作るわけじゃないですか。だからああいうキャラに男の影をちらつかせるのって面倒なんだろうなとは思う。この作品の百合ん百合んなところが受けてる側面からも。
- 有沢さんに対してもそうだけど、いきなりなずな氏の手を握ろうとするゆのっちのコミュニケーションはストレート。
- 新郎新婦ごっこは1年の積み重ねがあってこそだなあ。いや、大抵宮ちゃんがボケてゆのっちがつっこんでる気がしたので。宮ちゃんのボケにゆのっちが合わせるってのはあんまりなかったなーと。
- 番外編は、なんだか空間を持て余してる感が。『あずまんが』で初めて普通のコマ割で話作ってた時も思ったけど。
- ヒロさんは会って間もない内からいきなりそんな嫁気取りか!とも思ったが、あんまり面識ない人でも物怖じせず自分で作ったものを食べてほしがる人ってのはいるよなー。つまり夏目は先走りすぎた。女の子2人で同じアパートに住んでるからってそんなにショックを受けずとも。そこが可愛いところとも言えるけど。
全体的に性的な臭いがムンムン漂っていて大満足な一冊でした。表紙からして誘ってるよねもう。