あいつがそいつでこいつがそれで/『オーフェン』完結から5年/秋田禎信著作リスト、秋田読者に15の質問公開

あいつがそいつでこいつがそれで



某日のアク解の検索キーワード上位がなんだか愉快なことになってて、ちょっと笑った私です。なんか後日談という枠に留まらず、本編の伏線を覆したり回収したり、凄いことになってきましたよあそこそ(略称)。最近は00時ごろにモツ鍋をチェックするのが日課。家にいない場合はケータイからカチカチ。ベビプリ公式日記と合わせて、毎日の生活にメリハリが。これからこういう、新聞連載のような毎日更新(一応これは不定期更新と銘打ってはいるけど)スタイルって増えてかないかな。ラ板の秋田スレも通常の3倍じゃ利かないくらい議論が盛んで、以前のようなまったりした雰囲気は無いけど、まあ善き哉善き哉。てか、過去ログ倉庫をチェックしてみたら、本編完結時より流れが早いのな。それだけ現在の物語・更新スタイルがみんなをわくわくさせてるのか、単にラ板人口が増えてきたことの証左か……。この企画に呼応している個人サイトさんでは、フタゴ・フラクタさんのはぐれ旅再読、色遊さんのイラストつき感想が楽しみです。


……しかし、ここまで読んできて思うのは、やはり『オーフェン』の魅力の一端は世界設定にあったんだなあ、ということ。はっきり言って現在の連載はまだ設定転がしをしている段階に過ぎず(といってもまだ分量的にそれほどいってないのでしょうがないのかもしれないけど)、それだって20巻まで読んでなきゃ意味不明な部分が多いと思うんだけど、みんなうめえうめえ言って食いついてるもんなー(勿論自分もその一人なのは言うまでもないわけですが)。こういう状況をみると、先日の秋田設定魔卒業説をあっさり翻したくなる。が、まあ今回のはあくまで既存の設定を広げてみせたということで、新作となるとまた話は違ってくる、ということにしておこう。……いずれにせよ、連載も第10回を超えて、設定転がしもいいけど話(それだけの分量を予定してるんなら)を面白く展開させていってほしいところ。や、まあ今のまんまでも十分面白いっちゃ面白いんだけど、如何せん絵に描いた餅というか、面白そうだけどあくまで期待を煽りまくるに留まってるので、秋田はまだまだやれる子!ということを見せてほしい。どうかその前に終了しませんように!


……ところでオーフェン死亡フラグがうっすらと見えるのは気のせいっすか。ううう、『るろ剣星霜編』みたいにはならないでおくれよ……。

オーフェン完結から5年

カナスピカ

カナスピカ


ところで、はぐれ旅最終巻『我が聖域に開け扉(下)』が発売されたのは2003年09月20日。今からちょうど5年前。秋田自身が意識したのかどうか分からないけど、5年前、と言うのは『オーフェン』という物語にとっては重要なキーワードであり、じゃあ秋田禎信はこの5年間どんなことをやってきたんだろうと思いを馳せてみた。

  • 『エンハウ』全10巻完結。ミズー編人気。5巻辺りから面白くなってきた、という声が多い。秋田はスロースターター?テーマへの真摯さが評価され、一部では『オーフェン』より好きっ!という人も。
  • 『おっさんのたまご』は30歳を過ぎ「おっさんの入り口」に突入した秋田禎信の、ビミョーに後ろ向きな体当たりエッセイ。いまだ30代ということに驚く。ザ・スニーカー連載。
  • 『スレVSオー』完全版発売。神坂一とのチャットログで『オーフェン』最終巻後のオーフェンの様子が一部明かされ、騒然となる。
  • 『リングのカタマリ』。ザ・スニーカーの読みきり。八王子とプロレスへの愛が感じられる作品。
  • エスパーマン』。特撮ヒーローのパロディ。珍しくラブコメ
  • 「お気楽に行こう」が合言葉のファンタジー『シャンク!!』完結。途中絵師の交代劇などもあったものの、おおむね円満終了。黒猫の姿をしたツンデレ魔女という今までにない主人公とヒロインの関係性にゴロゴロ転がる。
  • 『パノ』。きゆづきさとこ原作漫画のノベライズ。ほのぼのハートフルファンタジードラマガ増刊ファンタジアバトルロイヤル連載。全6回が予定されていて、それが終了すれば単行本かもありえたと思うんだけど、同誌が休刊のため打ち切り。再開の可能性は限りなく低いっぽい。
  • カナスピカ』。講談社から初のハードカバー単行本ということで話題に。平凡な女子中学生と人工衛星の心の交流を描いた青春文学。『星の王子様』オマージュっぽい。元々はどっかのテレビ局の開局何十周年記念ドラマの脚本だったとか。中学の入試問題にも使われたらしい。奥付に作家エージェント「T.O.Entertainment」の名前が載り始める。
  • 『しもそ』。「とにかくヘンテコなものを作ろう」が発端。全編『閉鎖のシステム』のような会話劇でブラックユーモア満載。イラストは秋田も昔インタビューで好きな漫画家として名前を挙げたことがある中川いさみ
  • 『籠の中の15分』。野性時代収録の読みきり。その号の特集が「30代女子のためのエロ」だったため、購入までにいやーんな感じを味わう人が続出。仕掛けられた爆弾が爆発するまで残り15分。閉じ込められた観覧車の中でカップルが別れ話をするディベート・ノベル。生々しさ全開。
  • RD 潜脳調査室』。直近の仕事。士郎正宗・ProductionI.G原作TVアニメのノベライズ。


まとめると。『オーフェン』全盛の頃の秋田のイメージ、「ラブコメを書こうとすると拒否反応」「やっぱり魔剣は魂を吸わなきゃ」「最後は主人公が血まみれで佇む」をいかに払拭するか、がこの5年間のテーマだったと言っては過言でしょうか。……過言ですよね(月刊LaLaのCM風に)。

秋田禎信著作リスト、秋田禎信読者に15の質問公開

http://d.hatena.ne.jp/megyumi/10000114
http://d.hatena.ne.jp/megyumi/10000113


公開しました。著作リストはぎをらむさんが公開してるのもあるし、これまでは特に自分がやろうとは思わなかったんですけど、氏が(刊行データ一般について)こういう基本データは自前で持っておきたいのです。と言ってて、そりゃそうやんなあ、と納得したのでした。インタビュー・対談・コラム等の項はおまけ。元々は他の目的で秋田の公式発言をチェックしてて、その副産物というかなんというか。だからというわけじゃないけど、まだまだ不完全です。


15の質問はまあ、そのまんま。ご自由にお答えいただいて構いませんが、利用する時はトラックバックなりコメントなりメールなりで教えていただけると五体投地して喜びます。