君の嘘、伝説の君/清水マリコ/MF文庫J

君の嘘、伝説の君 (MF文庫J)


「嘘」3部作2作目。前作から情景描写が強化されて、独特の雰囲気が一層増した、気がする。時間の経過から取り残されたような、朽ちつつある団地の一室で、不登校のどこか浮世離れした女の子とごっこ遊びに興じる、というシチュエーションがとても退廃的で甘やか。エロゲー/ギャルゲーに何らかの形で関わってきた作家が女の子とキャッキャウフフするフィクションに対して思うところがあるようなないような話を書くという点で、桜庭一樹の『竹田くんの恋人』を連想してしまったよ。あそこまであからさまではないけど。