ゆっくりと穏やかな日常描写⇒一挙手一投足を丁寧に切り出す⇒エロい

んーと、大体タイトルで言いたいことは全部なんだけど。激しいアクションシーンとかがない分、作ってる側も観てる側も登場人物の一つ一つの仕草をそれこそ嘗め回すように見るっつーか。エロは細部に宿るっつーか。そんな法則。多分全編ゆるゆるの『苺ましまろ』が筆頭で、あとは、『蟲師』『かみちゅ』『フィギュア17』辺りがそんな感じ。

―― 例えば、人間関係の微妙な緊張感とか。
望月 それはさ、現実にも微妙に緊張感はらむ事はよくあるじゃない。その程度の事であって。ただ、全体を凄く日常的にしたから、その現実程度の微妙な緊張でも、観てる方ははっきりと緊張と感じてしまう、そういう事なんじゃないかなあ。作品自体のテンションをうんと高いところに設定したら、(潮音の)「キスしてもいいよ」とか、そんな事はどうでもよくなるはずでしょ。
―― たしかに、女の子がちょっとカメラに寄るだけで、ドキドキしますね。
望月 そうそう(笑)。元々のテンションが凄く低く設定されてるので、ちょっとした事が大層な事になるんだよね。

http://www.style.fm/as/13_special/mini_050822.shtml


なんか微妙に違うけど、感覚としては比較的近いところを突いてるような気がする。


それを18禁でやったのが田中ユタカ原作のOVA『初夜-バージン・ナイト-』なのかな。監督・絵コンテ・演出を担当した奥野浩行以下、一般向けでも有名なスタッフが集結した作品。彼女が彼氏の部屋でメシ食って、ビデオ見て、初めてのお泊り、初体験。それだけの内容。登場人物もその二人だけで、彼らの背景もほとんど説明されない。本当にそれだけの内容を、ゆっくりと、丹念に、丹念に描いてる。家の近所の風景とか、彼氏の部屋のレイアウトとかもしっかりしていて、臨場感たっぷり。





肝心の絡みのシーンでは BGMも流れず、特殊なプレイも卑語もない、クライマックスで画面がぱーっと光る特殊効果(ホワイトアウトフィニッシュ、というらしい)みたいのもない。別に写実的なものを目指してるわけではないんだろうけど、どんどんと過激になりつつあるアレゲなアニメとは一線を画しているのは確か。ゴムをちゃんとつけてるシーンがあるのも、貴重っちゃ貴重か(笑)ただ、この作品の場合そもそもが原作を出版してる竹書房が発売元だし、クレジットに載っている名前も一般の方で仕事をそのまんま出しているしで、当初の意識からして通常のそれとは全く関係ないところからスタートしてそうなので、そういう比較は何の意味もないのかもしれない。