桜庭一樹の次回作と、その他関連事項
『荒野の恋』が文藝春秋社から出る可能性
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/02/22
- メディア: 雑誌
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直木賞選評が載っている上のを読みました。浅田次郎との対談で言ってる「小説で儲けたら映画を撮りたい」という作家って某有名アニメ監督の娘婿のことだよなあと苦笑したり、映像文化と蜜月の関係にあるライトノベル出身作家に「あなたの小説は変に映像的でないところがいい」っていう浅田次郎の発言も興味深かったり、自伝エッセイの秘宝館のくだりにあとがき女王の名残を感じたりもした(いじめんな!秘宝館をいじめんな!)のですが、気になったのは冒頭のグラビア。鎌倉と江ノ島で撮影を行ったそうなのですが、そこは文藝春秋社刊行の次回作の舞台となる地なのだとか。で、鎌倉と江ノ島が舞台となる桜庭作品といえば……ということでタイトルに繋がるわけです。
作品 | 舞台 |
---|---|
AD2015隔離都市 | 新宿 |
竹田くんの恋人 | 東京(秋葉原) |
赤×ピンク | 東京(六本木) |
推定少女 | 関東地方の隅っこ⇒東京 |
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない | 境港 |
荒野の恋 | 鎌倉 |
少女には向かない職業 | 下関 |
ブルースカイ | 鹿児島(第1章はドイツ、2章はシンガポール) |
少女七竈と七人の可愛そうな大人 | 旭川 |
赤朽葉家の伝説 | 鳥取 |
青年のための読書クラブ | 東京の山の手 |
私の男 | 紋別 |
周知の通り、桜庭一樹は作品ごと、舞台を日本各地に実在する地方都市に設定することが多いです。その中で、舞台が被ることは……まあ、「東京」とか「北海道」とかでっかい括りでなら、或いは「東京」の中で新宿や秋葉原が複数回出てくることはあるけど、「鎌倉」、「江ノ島」というのはちょっとピンポイント過ぎる気もする。なのにここであえてその辺りを舞台にするということは、ひょっとして……?
でも、既に同じファミ通文庫初出の『赤×ピンク』が角川文庫から出てるってのに、『荒野の恋』をあえて文藝春秋で出す意味もなさそうだよなあ。単に、今年予定されてるらしい『荒野の恋』完結に合わせて舞台を同じくした作品を出すことで(或いはその逆)相乗効果を狙ってるのかしらん?……まあ、これについては近いうちに分かることでしょう。期待してます。そうそう、関係あるようで関係ないですが、もう一つ、鎌倉を舞台にしているもので私が好きなあの作品は、3巻が3月発売だそうで。こっちも期待。
『赤×ピンク』角川文庫版が出てた
表紙、色合い的には結構近い気もする。
幼さと、かよわさと必死な姿で、常にショーで人気ナンバーワンのまゆ14歳―――(実は躁鬱の激しい二十一歳)、魅せることに至上の喜びを感じる女王様、ミーコ―――(実は恋に悩むSMの女王様)、女の子にモテモテなのに女性恐怖症の皐月―――(実は……)
彼女たちが毎夜働くのは、高校の校舎を改築した非合法ファイトクラブ。それぞれ、秘めた思いを胸にたたかっている―――。
驚天動地のラブ&アクション!
東京・六本木、廃校になった小学校で夜毎繰り広げられる非合法ガールファイト、集う奇妙な客たち、どこか壊れた、でも真摯で純な女の子たち。体の痛みを心の筋肉に変えて、どこよりも高く跳び、誰よりも速い拳を、何もかも粉砕する一撃を―彷徨のはて、都会の異空間に迷い込んだ3人の女性たち、そのサバイバルと成長と、恋を描いた、最も挑発的でロマンティックな青春小説。
裏表紙あらすじのテンションの違いが。解説は今回の芥川賞候補にもなっていた山崎ナオコーラ。あと、結構古い作品(といってもたかだか5年前だけど)の割に加筆修正がなかった辺り、今後も(二次)文庫化に際してその類のことはないとみなしていいのかな……?
直木賞帯収拾計画
http://www.fastwave.gr.jp/diarysrv/konkon/200802b.html#20080216-2
http://www.fastwave.gr.jp/diarysrv/konkon/200802a.html#20080210-1
http://www.fastwave.gr.jp/diarysrv/konkon/200802a.html#20080203-1
id:giolumさん経由。壮観。『砂糖菓子』は初速は芳しくなかったのに、じわじわと売れ続けて、3年で12版かー。
あんまり関係ないけど、この人の作品を結構読んでても、直木賞受賞してニュース見るまでは男だと思ってた、って人が結構いて、そっかーそういうもんかーと思った。ハードカバー単行本はあとがきがないというのも大きいんだろうけど。