キャラ萌え属性が、その人のキャラを決定する?

人間は3人集まれば派閥を作る。同時に、一人一人に何らかの役を割り振ろうとする。この場合、職業的な役割じゃなくて、いわゆるキャラ付けって奴ね。それは、そもそもの言葉の定義……の候補の一つに、「一つの物事に深くのめりこむ」というのを持つオタクの集団においては、より強く求められる、と言えなくもない。うちのサークルではこいつがアニメ、こいつが漫画、こいつがゲーム、こいつがラノベ担当だからよろしくね、という専門分野の分担。さらにアニメと一口に言っても作画オタとか声優オタとか、ゲームだったらRPGSTGか格ゲーか音ゲーか、漫画だったら少年漫画少女漫画か、少年漫画ならジャンプかサンデーかマガジンかチャンピオンか、少女漫画ならりぼんか花ゆめか、エロゲーならアリスエルフ葉鍵月……という細分化が為される。

書評誌「ダ・ヴィンチ」編集長の横里さんは、10代と文学の関係について以下のような見解を話してくれた。「昔の10代は、メディアの違いをはっきりと意識していた。その表現方法が活字でなければいけないという人は文学青年となり、映画でなければという人は映画研究会に入り・・・といった具合で、ある意味不器用だったとも言える。しかし、現代のティーンは、生まれたときから様々なメディアが目の前に用意されていたため、そうしたカテゴリーに捕らわれず、器用に自分にフィットするものを選ぶ。つまり、文学にしろ、映画にしろ、ゲームにしろ、形態に捕らわれず、今、面白いと感じるものを追う傾向があるのではないか」と話す。

http://www.shibukei.com/special/17/


でも、そういうのよりむしろ、その人の好きなキャラクター、もしくは萌え属性(この言葉もそろそろ死語だなあ)のが印象に残る気がする。つーか分かりやすいんだよな。この人はツンデレが好き、この人はメガネが好き、この人はちっちゃい子が好き……とか。自己紹介するのに好きな作品で攻めると、その作品のどういうところが好きなのか、複合的な要素の中から判断しなくちゃいけないけど、好きなキャラクター、なら比較的分かりやすく、じゃあこのキャラクターも好きでしょ、という具合に他に話を繋げやすいっつーのかな。綾波レイが好き。じゃあ星野ルリも好き?作品として『ナデシコ』はどう?とか。まあ、綾波が好きなだけで、彼女を構成する要素……不思議少女全般や林原めぐみキャラ全般が好きなわけじゃねー!という人も勿論いるだろうけど。オタク芸としての「俺の嫁」理論も、流行るべくして流行ったんだろうなあ。

動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)

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