時代は表紙買いから、ページ買い、コマ買いへ
表紙買いは、事前情報がない作品を、店頭で表紙を見ただけで判断して購入すること。たまにしか書店に立ち寄れない人、衝動を抑えきれない人、自分からギャンブルに挑む人(今も昔も、実はこれが一番多いんじゃないかと思うけど)を除けば、現代ではweb上で簡単に評判を調べられるわけで、以前に比べれば、そもそも情報が手に入らないから半ば必然的に表紙買いになる、というのは減ったんじゃないだろうか。
代わって(?)登場したのが、ページ買い、コマ買い。web上の感想サイトや匿名掲示板にコマ、ページ単位で断片的に貼られているのを見て作品を購入すること。今考えました。『To Loveる』なんかは、意識して描いてるんじゃないか、と思うほどそういう意味での見せゴマに毎週毎週事欠かない。勿論、毎週見せ場を作るってのは週刊漫画では当然のことなんだろうけど、それがweb時代での楽しみ方にえらくマッチしてたのがヒットの秘訣?
ただ、その作品を知ったのがweb上、特に匿名掲示板だったりした場合、その場でうpきぼん(既に死語?)したり、きわめて特殊な方法に走ることもありえそうなので、どれだけの人が購入まで行き着くのかは分からない。また、そもそも元ネタそのものに興味を持つことなく、その場でネタとして消費して終わり、ということも多いだろう。某画像掲示板の一部は特にその傾向が強くて、その画像を餌にして、釣ったり釣られたりの過程すらネタとして楽しんでる節がある。画像を貼る人はひたすら受けのよさそうなコマ、ページを選ぶことだけに専念して、無駄に内容を説明する本文とか入れない。そして、閲覧者の側もその画像だけを元に、ひたすらみんなで妄想を膨らませていく。結果、大元の作品とは似ても似つかない代物がその作品だと認識されたりする。1コマ、1ページの画像だけで盛り上がって、元ネタにあまり走らないので、散々盛り上がったページの後の展開が貼られたけど、それが自分たちが期待していたものとあまりに違うのでがっくり来た、なんてことも頻繁に起こる。
出版社側がこれらの現象を知っているかのような煽りを打つくらいだから、この先、ページ買い、コマ買いを意識した作品も増えてくるのかな。増えてきそうだな。