エロパロ同人の「パロディ」である必要性


半年以上前に、あるblogで「コミュニケーションの場であるコミケに来てまでエロ同人買い漁るとかマジ不健全」「エロが見たいなら同人である必要なくね?」という主張がなされ、まあ色んなところから反発を受ける、ということがありました。

  • 私個人としては、エロ漫画は好きだけど、エロパロ同人はあまり積極的に買おうとは思いません。それはパロディ同人としての健全不健全がどうの、といった話では勿論なく、まさしく、パロディである必要をあまり感じないからです。こちらに書かれている通り、「あの○○がこんなことを!」という部分に惹かれる、というのは他の人の話としては納得できるのですが、自分にはどうもそういう心情がないようです。
    • パロディ同人作品を構成する要素ってのは、多分大きく二つに分けられます。一次創作者が作った部分と、二次創作者が作った部分です。そして、自分の中でエロパロというのは後者の要因がとても大きくて、前者にどれだけ愛着があっても、後者が駄目なら、それをカバーできるものではない。早い話が、好きな作家が描くならさして好きでもない……どころか、全く知らない元ネタでも抜けるけど、その逆、すごい好きな元ネタを使ってもさして好きでもない作家では抜けない、ということです。それなら、何もエロパロ同人にこだわる必要はない。コストパフォーマンスで圧倒的に有利な商業の方を選ぶ、というのが私の行動指針です。
      • まあ、例えばbolze.とか、商業でほとんど活動してない作家なら、その同人誌が欲しいというのはあるけど、でもそれは同人の利点であってエロパロの利点じゃないよな。別にbolze.のオリジナル創作でも構わないわけだし。
    • ……いや、ちょっと違うか。パロディ同人というのは、基本的にその作品のことが好きな人が買ってナンボ、というところがあると私は思っています。しかし、ことエロパロ同人の場合、むしろ"使える"のは、
    • キャラ設定や世界観を知ってて、場合によっては実際観た/読んだ/プレイしたこともあるけど、特に思い入れのない原作>>>事前知識はほとんどないけど、そのエロパロ作品の中で読み取れる要素(キャラデザとか)に魅力を感じた原作>>>思い入れの強い原作
    • という感じで。魅力的なキャラクターとか、設定とかを借りてくるという意味では、パロディである必要は感じるけど、私自身が思い入れのない原作の方が使いやすいというのなら、読者側から見てやっぱりパロディでなくてもいいんだよなあ別に、という話。だから私は、作品として見ればあまり好きでない……というかはっきり言って嫌いな原作でも、思い入れのある作品よりは使いやすい、のかもしれない。進んで使いたいとはあまり思わないけど。
      • でもこれ、あくまで買い専側からの意見だよな。○○というキャラのエロパロを描きたい!という願望によって描き手がいいものを描いてくれるというのなら、それはこんなとこでグダグダ言うことではないというか、むしろ歓迎すべきことなんでしょう。
      • あと、私は○学生当時、エヴァのアンソロジー失楽園』で猿のように励んでた過去があるので、エロパロを完全否定は出来ないんですが、でも、あれは他にそういうものがない状態で目の前に針についた餌がするすると下りてきた、って感じだったし、色んな意味で規格外なので、なんとも言えず。
        • そういえばあれ、どれくらい売れたんだろうな。ひょっとして、18禁(今調べたらR指定でした)商業アンソロジーで史上一番売れたのってあのシリーズじゃなかろうか、という気がしなくもない。エンジェリックインパクトはちょっと劣りそうだし。巻数の上で勝ってそうな葉鍵や月のが上?ドラクエ4コマとかもあるにはあるけど、あれはれっきとした公式だしなあ……。
      • あー、全然関係ないけど、『アニメヒロインアンソロジー』みたいなエロパロ商業アンソロジー集って、あるじゃないですか。ああいうので、たまに著作権対策?のためか、キャラクターの名前が微妙に変わってる(『ラブひな』だと、景太郎がエータローだったり、スゥがスーだったり、素子が智子だったりするやつ)ことがあるけど、アレはなんか面白いですね。そういう細かいところの食い違いって、共通認識が大切な同人では結構敏感にならざるを得ない問題なんだろうけど、商業アンソロだと容易に変えちゃう辺り、それは最早「○○によく似た女の子」ってだけの存在で。でも、エロパロだとそれでも特に問題ないのかなあとか。


まあ、性的嗜好理論武装するほどしょうもないこともないな、という結論で。