エコールin渋谷シネマライズ


土曜に観てきました。ミニシアター系のオシャレ映画とはおよそ無縁な画像掲示板でその存在を知ったのですが、これに男友達数人連れ立って行くのもぞっとしないし、かといって一緒に行ってくれる女友達もいない(というか、女性と行ったら気まずいことになりそう)ので、一人で。6-7割埋まった観客席の客層は多種多様でしたが、お仲間らしき人もいて安心しました。女性客の方が多かったとは思うけど。


舞台は何処とも知れない森の中にある学校。棺の中に入ってどこからか運ばれてくる6-12歳の女の子たちは、外界から隔絶された、大人がほとんど、男性に至っては全くいないここで共同生活を送ることになる……というのがあらすじ。


あずまんが大王』とか『苺ましまろ』とか『マリア様がみてる』とか、あそこらへんがオタ界隈でなんで流行ったか、箱庭にいる少女たちを覗き見するオタクの視点が云々、みたいなのが好きな人は、見といてもいいかもしれません。そうそう、『灰羽連盟』に似てるって意見も多いですね。世界観とか、幻想的な雰囲気とかは確かにそうかも。

  • あらすじで大体想像つくと思うけど、ちっちゃい女の子がいっぱいでその筋の人にはお素敵な映画、と言っても間違いではない、と思う。当然それだけではないけど。周囲から隔絶された空間で、無垢なまま女の子たちを育て、6年経過すると温室育ちの純粋培養お嬢さまが箱入りで出荷されるとかなんとか。そういえば、公開序盤のトークショーALI PROJECT宝野アリカが来てたらしい。
    • ただ、この映画に登場する女の子たちは、スカートのプリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻らせないように、ゆっくりと歩くたしなみなど持ち合わせていない。遅刻ギリギリで走り去るなどといった、はしたない生徒ばかり。ミニスカートで側転かましたり、生まれたまんまの体を草花でくすぐり合ったり、下着姿のまま湖で遊んだり。学校を「卒業」してからもそういう癖が抜けず、街中で噴水を見つけ、公衆の面前で下着姿のまま水遊びしてしまったり。
  • 劇中、学校での必須科目だったバレエを、地下にある秘密の劇場で、学校の出資者?である男たちに披露するシーンがあるのだけど。男たちの顔は暗闇に覆われてよく見えない。でも、女の子たちは見られることに嫌悪だかなんだかがない混ぜになったよく分からない感情を覚える。って辺りで、女の子たちの生活を覗き見してる観客=自分ってのを強く意識させられた。あれだ、劇エヴァで観客席が順繰りに映されるシーン。あそこがフラッシュバックした。多分ありふれた手法ではあるんだろうけど、教養が薄いとどうしても……。監督は女性らしいけど、この辺の描写で、なんというか、桜庭一樹辺りにたまに感じる見透かされてるような感覚を覚えた。
    • そういう、思わせぶりな描写、直喩、隠喩などが頻繁に出てくる。まだ二次性徴を迎えてない女の子を蝶のサナギに喩えたり、その蝶を学校の教師の女性がピンで標本にしてたり。全編そんなのばっかり。学校の目的とか、脱走した女の子がどうなったとか、そういうのが言葉で明確に語られることはない。
  • 原題は『Innocence』。日本公開時にタイトルを変えたのは、あまりにそのまんま過ぎるっつーのもあるけど、押井守のアレとごっちゃになって紛らわしい、という理由もあるらしい。妙なところで妙な名前を聞いた。
    • ちなみに、押井守の方の『イノセンス』で球体間接人形がフューチャーされてたのは有名だけど、こっちのヒロインの子たちも人形になってるらしい。無垢なもの、純粋なものってーとやっぱり人形なのか。
  • 途中、ある女の子が寝つけなくて、面倒を見てくれてる同室でお姐さん役の女の子に「一緒に寝ていい?」と聞くけど、「規則違反よ」と断られるシーン。あれやっぱり、同性愛禁止ってことなんかなー。
  • ちなみにこれ、PG12指定映画です。海外ではどうだか知らないけど、出演者の女の子たちは映画を劇場で観るなというんでしょうか。不思議な話もあったもんだ。
  • ところでこのご時世、二次元の女の子、特に二次ロリが好きなら、自分が二次ロリと三次ロリの間にどういう差異を認めてるか、自覚しとくのは悪いことじゃない、と思ってて。この映画を見るに当たって、自分もそこら辺の見極めをするのを目的の一つとしてました。
    • 結論から言うと、まあ可愛いと思った子もいたのは事実で。ヒロインの内、最高学年の子が、地下劇場に男性客が忘れていった手袋を自分の手にはめて足を撫でてるシーンとか、すげえエロいなあと思ったのは事実なんだけど、それでも、やっぱり二次ロリでそうするように、この映画の三次ロリで欲情、ってのは少なくとも二次ロリを差し置いてやりたいとは思わないかなあ。
      • よく、この手の女の子に対して「未成熟な」「貧相な」って形容が使われるけど、小梅けいとみたいなあばら骨が浮き出たのとか、ほしのふうたみたいな手足が棒みたいなのとか、あるいはイカ腹であるとか、どうにも私は苦手で(参考⇒http://www.h4.dion.ne.jp/~sube2/figure-table2.jpg)。それでも、二次はまだ適度にデフォルメされてるからまだいいんだけど、三次の場合、「貧相な」ってのは本当に貧相なのよ。今にも壊れそうとかいうより、デフォで人間として未完成で。そういうのが痛々しくて、やっぱり三次ロリはちょっときついなあ、という結論に至りました。
  • まあそもそも、私自身二次元でロリ専門つーわけでなく、ロリでも行けるよ―ぐらいの雑食性の人なんですけどね。オタ界隈でも、『はじるす』当たりを頂点に、これだけ無節操にロリが蔓延すると、まあ嗜んどくかーという程度の人も多いんじゃないでしょうか。


……しかし、時節柄色々デリケートな問題を取り扱ってるだけに、感想書くのも色々気を遣いますね。


そうそう、余談ですが、劇場を出たら、ロビーの新作映画のペーパー並べてあるところに、普通にJOJOの石仮面(の形に切り取られたペーパー)が置いてあってびびりました。裏には、来春公開される映画の紹介が載ってるんですが、よく考えるよなあこういうの。