でろでろ(1)-(8)/押切蓮介

でろでろ(1) (KCデラックス ヤングマガジン)でろでろ(8) (KCデラックス ヤングマガジン)


不良っぽいけど妹を溺愛してるお兄ちゃんと、そんな兄をクールにスルーしつつも、実は世話焼きな妹の組み合わせがいい。特に妹。なんていうんだろう、安倍吉俊の漫画に出てきそうな女の子っぽい可愛さ?全然違うかもしれないけど、なんとなくそんな感じがしなくもない。気がする。あとがき漫画で、「どうして俺の右手は美少女をうまく描けないのだ!」と嘆いてたけど、あなたの描く女の子はこれでいいのです。十二分に可愛いです。


一応、妖怪にまつわる事件が起きて、それを霊感の強い兄が殴って解決、という漫画なんだけど、気がついたら陰毛が部屋中に散らばってたり、学校の教室でふと沈黙が支配する、会話のエアポケットのような瞬間があったり、日常で「こんなことあるある」っていうネタがもしも妖怪の仕業だったら?というのが多くて。決して怖くはない。なんだか読んでて楽しい漫画です。


巻末についてくる蓮介漫画日記は、微妙にプロレタリアートな悲哀漂うネタ多めで、読むタイミングを間違えるとあんまりよろしくないことになるかもしれない。でも面白い。