星界の戦旗Ⅱ 守るべきもの/森岡浩之/ハヤカワ文庫JA

星界の戦旗〈2〉守るべきもの (ハヤカワ文庫)


「敵は意外にバカです!」


ラフィールとジントは、それぞれ敵から取り戻した惑星の領主代行、副代行を命じられる。問題が起きたとの報を聞き、現地に降り立ったジントが見たのは、領民同士の内乱だった。


仕事への責任とか、文化的民族的衝突とか、宇宙時代の刑法とは、とかその他諸々。空と地上に引き裂かれた二人、って感じで盛り上がる。面白い。ロブナスⅡの自称代表者4人は、状況的には切迫してるのに、描き方のためかなんだか喜劇を見てるようですね。


でも、うーん、今回結構ハードな展開だったわけですが、多少ひっかかるところはあるなあ。なんとなく後味悪い。スポールさんとこの被害が予想以上に甚大だったかしら。そういえば、アーヴって、なるほど個性が強い面々が揃ってるけど、例えば「ザ・サード」のあの種族みたいに、人類に対してそれほど圧倒的な力を持ってるようには見えないなあ。……この出来事が、スポールさんと殿下との間に何らかの変化を生むことってあるんだろうか。その割にジントは緊急事態でも銃を携行してなかったりで、なんか、どうにも……。これがライトノベルレーベルから出てる話なら、任務を擲ってでも殿下はジントを救出に行ったのだろうか。なんとか軍人としての任務の方もうまく行くような解決策を(作者が)捻り出して。


あと、戦時に休暇貰いたいって言ってあっさり了承されちゃう軍隊ってどうなんだろうとか。いや、まあどうでもいいっちゃどうでもいいですが。


エクリュアさんとの三角関係は進展なし。