アニメ化で人気再燃するも、失われたモノも大きい「時をかける少女」

http://ameblo.jp/sinobi/entry-10016391801.html


作品の背景(監督の作品履歴とかマスコミの広告戦略とか上映館数とか)から「ゲド戦記」へのカウンターとしての神輿に持ち上げられているのはその通り。原作(というかこの場合大林版?)の大事な要素を削って、別物に仕上げてるのもその通り。あえて言うなら、絶賛が多いんじゃなくてネガティブ評の少なさから人気が良好に見えるように思うのだけど、そこら辺は自分の中では解決済みの問題なので、どうでもいいです。気になったのは、

SFとしては詰めが甘く、ジュヴナイルとしても中途半端なこの作品が
絶賛されているのは、明朗闊達な主人公、紺野真琴のルックスや言動が
いわゆるアキバ系な方々にとってロイヤルストレートフラッシュ並に
ツボの揃った好物件だから、というのがかなり大きなウエイトを占めている気がする。
貞本義行のキャラクターにマニア殺しの台詞や仕草を多用すれば
アキバ系からの支持を集めることなど、赤子の手をひねるが如きであろう。


ここ。


この作品の魅力について語る時、多くの人が主人公・紺野真琴の魅力について語らずにはいられない。でも、彼らの多くは(私も含めて)自分たちの「好き」がいわゆる「萌え」とは違うと言う。ここには、「アキバ系(リンク先にならってあえてこの言葉使いますが)が女性キャラを好きだと言ったらそういうことだ、と思われている」みたいな自覚/自嘲があるように思う。だから「アキバ系な方々にとってロイヤルストレートフラッシュ並にツボの揃った好物件」という言葉に反応するのかなーと。じゃあそういう感情を何と呼べばいいかというと、何だろうね。別に名前付けなくてもいいか。この映画が万人受けするか、についてはよく分かりません。


あと、貞本義行のキャラデザについて。彼のイメージは、もう最先端という感じではない。だから、オタクをターゲットにした作品で、彼を起用すればヒットするとは必ずしも思えないけど、この作品に限っては最適解だったと思う。少なくとも、私にとっては。彼のキャラクターデザインで、派手なアニメアニメした作品ではなく、日常芝居が多い現代物をやってくれた、というのは嬉しかったです。……べ、別に「.hack」が嫌いなんて言ってないでしょ!