放浪息子(5)/志村貴子

放浪息子(5) (BEAM COMIX)


微妙に禍根を残したまま、この巻から中学生編がスタート。新キャラも登場し、なにやらにわかに騒がしくなってまいりました。


その中心にいるのが、中学で知り合ったクラスメイト・更科千鶴さん、通称ちーちゃん。入学式に詰襟を着てきて、高槻くんに衝撃を与えたエキセントリックなキャラ。彼女と、彼女を慕っていつもくっついている白井さんが、シュウたちの仲をひっかき回します。結果的にそれで、高槻さん、千葉さん、二鳥くんの仲はなし崩し的に修復されたような、しないような……。んでも、本筋にはまだ微妙に絡んでないような感じ。文化祭が肝ですかねー。


もう1人は、二鳥君たちの担任、税所先生。この人は……なんというか……変態です。二鳥君が初恋の人に似てるらしく、彼を見る目がやらしいです。男女逆転の倒錯劇やりたいとか言い出した時、二鳥くんに女装させたいがためかの暴走かと思ったよ!この人の漫画はホント変態の人ばっかり出てくるなあ。最高です。


新キャラ登場のあおりを受けて出番が減ったのは、安那ちゃん。主人公である二鳥君との繋がりがお姉ちゃん経由しかないから当然と言えば当然なんだけど、二鳥君との微妙なフラグらしきものが放置されたまんまなのは気になります。今後、前に出てくることはあるんだろうか?でも、この巻唯一の登場が数ページだけでも、その存在感は流石。


内容に合わせてだと思うんですが、絵柄も変化。題材を考えると、やっぱりこれは思春期の急激な成長を描こうとしてるのかな?4-5巻の間で、特に目の書き方とかその辺の変化があまりに急だったから、いまだに違和感が拭えないんですが、まあその内慣れるかな……。主に更科さんが引っかき回してくれたおかげで、以前にあったようなふわふわした雰囲気は失われて、妙にどたばた騒がしくなってるような気もするけど、まあキャラの表情が豊かになって、ころころ変わるようになったのは、見てて面白いからよし。


気に入ったコマは、20Pの衝撃受けてる高槻さん、56Pの鏡の前で照れくさいんだかなんだか形容し難い表情してる高槻さん、144Pの「誰が二鳥真帆だって?」の姉ちゃん。189Pのこの上ない幸せそうな顔してる千葉さん辺り。