ブギーでポップなアレ

なんとなく、ブギポのあとがきを眺めてて、こんなのを見つけました。

ポップカルチャーの最も良いところは、なんと言っても権威が存在しにくいところである。皆無とは言えないが、まああんましない。ついこないだまで大御所だったものが、あっというまに陳腐でつまんないということになって、とっくの昔に時代遅れとされていたものが「新鮮だ!」「これを忘れた昔の奴はバカだ」とか言われて甦ったりするのもポップだ。実にいい加減であり、しかしなんとなくその渦中にあるときはそれにある種の必然を感じていたりもする。あっというまに巨大になったかと思うと、突然はじけてキレエさっぱりなくなってしまう。泡とはよく言ったものだ。ここには安易に頼れるわかりやすい基準などなくたとえば小説の公募で大賞を取ったりしても、それだけではちっとも偉いことにはならないのだ。


これは2巻目「VSイマジネーター part1」のあとがき。これ書いてる時は、自分自身が大御所みたいな扱いになるなんて、想像もしてなかったんでしょーね。上遠野浩平は、デビュー時から一貫して「偉そう」(これも誤解を招きそうな表現ですけど、別に偉ぶってるとかそういうことではないです)で、その姿勢を崩そうとしない。だから、この業界を代表するような看板作家になったからといって、急に偉そうにしたりしない。外部の色んな変化を受けて、この業界について殊更に憂いを覚えてるようなことを急に言い出したりしない(いや、「ファウスト」辺りで言ってるのかも知れんけど)。そういうところは、好感が持てるかも。


……いや、まあ、なんとなく色々ね。上遠野浩平が公式サイト持ってblogとかつけだしたら、色々心境複雑だろうなあ。少なくとも私は。