ライトノベル「超」入門/新城カズマ/ソフトバンク新書

ライトノベル「超」入門 [ソフトバンク新書]


うう、なんだか焦点が定まらないから、読み辛い……。現在進行形で読んでる「蓬莱学園」との文体の違いに愕然とするんですが、現在の新城カズマってこういう文体なのでしょうか。入門本ならではの配慮?ひょっとして、ライトノベルと言われて想起されるステレオタイプな文体を模倣してるとか?妙に行間が空いてて文字が大きいのもそういうことか!と思ったらこれがソフトバンク新書のデフォルトでした。

  • いまだライトノベルで見たことがないのはグルメ小説と妊娠小説。
    • グルメ小説:妖神グルメ(未読)?妊娠小説、は、なんかなかったかなあ……赤ん坊ネタは「スクラップドプリンセス」でやってたけど。アニメや漫画にあってラノベにない(少ない)ジャンルっていうと、スポーツ物、ヤンキー物、意外なところで巨大ロボット物、かな。特に巨大ロボット物は「ARIEL」ぐらいしか思いつきません。漫画にも少ないので、アニメ固有のジャンルなのかしら。最近はアニメにも少ないですけど。
  • 宮崎駿の影響を受けたラノベ……イラストなら「七姫物語」、物語だと「風の白猿神」とか?ラノベに限らず、漫画でもアニメでも、基本的に影響が分かりやすく出てる作品ってあんまりない気がするけど。
  • キャラクターというのは、物語がぎゅうっと凝縮されて、人物イラストの中に封じ込められている状態。
  • ゲームのマルチエンディング方式では、登場人物は葛藤も決断もしていない。これが、「登場人物」を「キャラ」に変えてしまった。そこでは、ドラマの結論から人物が規定されるのではなく、キャラクターの性質がドラマに優先していく。
  • 話に聞いてた通り、キャラ類型解説がめちゃくちゃ。代表的な貧乳キャラ:天野美汐。えー。いやデータ上では確かに栞に次ぐ2番目だけど。そもそもあのゲーム、貧乳キャラいないじゃん。あと、水野亜美をショートカットと呼んでいいかどうかいまだに悩みます。
  • 主人公少年・シンジが巨大人型兵器エヴァを上手く操縦できないんだけど、そんなところにミサトさんが「きゅん(はあと」とくる、みたいな。少女マンガ文化の継承者としての《エヴァンゲリオン》。……やめてよミサトさん
  • 書店で、その小説のメインキャラの属性をPOPにでも書いて売るって、既に裏表紙のあらすじとかで実行されてない?それとも、もっと棚単位で分けろとか、そういうことでしょうか。
  • キャラの数が四人以上になると、それぞれの関係を表す線が人数より多くなる。故に、同人でカップリングをする視点においては、四人以上のメインキャラがいる作品が受ける。
  • あとがきで作者をキャラとして売っていく手法。
  • 同世代感、同時代感、ライブ感を重要視した小説がライトノベル
  • 歌舞伎の技法が直接ライトノベルに流れ込んでるんだとか、おたく文化は江戸期から連綿と続く文化様式の最新の発露だとか、そういうバカみたいな日本的ショーヴィニズム
    • 笑った。あっち方面への皮肉に聞こえてしまいました。
  • 対象に依存しない、視線のほうが主役である、そんな状態を「邪推する権利」と呼ぶ。