NHK教育・新日曜美術館「都市を変えるポップカルチャーOTAKU・おたく」

オタクとNEET特集をやらせたら本当にNHKは光る。真面目にやればやるほど、変にいじって受けを取ろうとする民放なんかよりずっと痛面白くなるなあ。あの苦笑を堪えきれないアナウンサーを見据える森川嘉一郎の目は、視線で人を殺せそうでした。あの微妙な雰囲気は、絶対民放では出せない。





肝心の内容はと言えば、展示内容を説明する他は基本的には森川嘉一郎著「趣都の誕生」と概要は一緒。オタクとマニアの違いは趣味に実体性があるかないか。大阪万博の時点では日本の、主に科学技術面での未来に希望を持っていた若者達がその後の日本の失墜から虚構に意味を見出すようになりオタクになった。趣味人が先導して現在の秋葉原がある……


出演した人は、斎藤環大嶋優木(最初の画像の人)、米沢代表など。


気になったことが幾つか。まず、コミックマーケットが女性のイベントのように紹介されていたこと。や、起源や意味とかは別として、別に女性のイベントではないと思うんですけど……これは私が男だからかもしれないけど、テレビで紹介される時でも3日目の男性しかいない熱気ムンムンなイメージの方が強いと思うんですが。女性のオタクの人が分かりやすくオタクな言動をとるのがコミケだって話なんだろうか。ガンダムWの抱き枕なんかも写ってましたけどね。


二つ目。展示内容で、(恐らく)全てのサークルカットが模型に配置されていたこと。そんな気にすることでもないんだろうけど、サークルの人たちもイタリアの人たちに見られるとは思ってなかったでしょう。まーあの数を目を凝らして一つ一つ見てる人がいたかは分からないですけど。


三つ目。NHKは「甘き死よ、来たれ」をBGMに使うのは勘弁して下さい。ひょっとしたら展示の方で流れてたのかもしれないけど。「オタクやめて現実に帰れ」ってテーマの映画のBGMがこういう番組に使われることになんとも言えない皮肉を感じてしまいました。庵野も奥さんの尻の下で泣いてるに違いない。


再放送は今夜20:00から。