魔術士オーフェンはぐれ旅 我が戦場に踊れ来訪者/秋田禎信/富士見ファンタジア文庫

我が戦場に踊れ来訪者―魔術士オーフェンはぐれ旅 (富士見ファンタジア文庫)


クライマックスに向けての準備編もしくは最接近領編への導入。ウィノナに案内されて最接近領へもうすぐというところで、イールギット含む十三使徒の三人と、ティッシとの合流。なつかしのオールスター勢揃いとか、「お前があの伝説の……!」的な展開とか大好物なので、あの辺りの会話はニヤニヤが止まりませんでした。

  • フォルテ、久々の登場かと思ったら植物状態になって以降最終巻まで放置。その境遇からチャイルドマン教室でコミクロンに次いで不遇なキャラの座をものにした。まあ「キエサルヒマの終端」ではティッシと結婚&妊娠のダブルコンボかましたんだから、それくらい幸せ税の先払いしたに過ぎないよね。
  • 以前にどっかで言ったような気がするけど、銀月姫に率いられる地人たちが妖精さん@人類は衰退しましたとかぶる。
  • オーフェンはマジクの「魔術士の憂鬱」が自分がキムラックで陥ったものとある意味同じだと思ってるけど、そうなのかな。マジクの場合、魔術が通用しない相手というのが世の中にいるのを知って、じゃあ魔術なんて何の役に立つんだ、という思考に至っているのであって、力の強大さに恐れを抱いているようには思えないのだけど。
  • ギャグ増量で東部編としては比較的コミカルに話が進むんだけど、無謀編終盤と同様どこか笑いが乾いている気もする。特にクリーオウ。空元気も続けていればその内真実になるかもしれないけれど……
  • スィートハートさん名前に反してケバい。ティッシとアザリーが共にあんまり化粧っけがないからああいうデザインになったのかしら。
  • カコルキスト・イストハンの語感のよさはまさに秋田という感じ。
  • 地人を消滅させたと思い込んで動揺するティッシ。精神的な脆さは相変わらず。
  • アーバンラマでもそうだったけど、オーフェンはマジクリを大事に思ってる割に二人の安全に対してやや無頓着な気がしなくもない。敵に対しても賢くあることを求め過ぎっつーかな。
  • ティッシとイールギットの仲違いはどこのドタバタハーレムラブコメだ。
  • 190P「我掲げるは降魔の剣」のイラストの文字演出がイカす。
  • 苦みばしった暗殺者の剥げたおっさんがウィンク。