エンジェル・ハウリング(5) 獲物の旅/秋田禎信/富士見ファンタジア文庫

エンジェル・ハウリング〈5〉獲物の旅―from the aspect of MIZU (富士見ファンタジア文庫)


ミズーさんがジュディアと共に旅をし、愉快な賞金稼ぎたちと遊んだりすることで、段々とデレていく。1、3巻と比べコミカルな展開多めでミズーの気が常時張ってないため、、初読時は「ちょっと中だるみしてきたかなー」という印象もあったけど、今読んでみると丹念にミズーをデレさせる要素を積み重ねていると感じた。服飾店でのエピソードとかベッタベタで、どこの現代学園異能やねん、という話ではあるけど、愛着を持つとなかなか可愛い。渾身の一張羅を「変装?」と評したサリオンもよくやった。


スポルトの話は、物語のポジション的にそうしなきゃいけない、というのは分かるんだけど、一人の男性として見るとただの不器用なおっさん、という印象は変わらなかった。誰もがそんなものかもしれないけど。

  • 腹に剣生やして青ざめた表情のマリオを「大抵の男にとっては魅力的に映る」とか秋田もなかなか言うなあ。マリオが傷ついてるのを見ると、リョナリョナ言ってる人の気持ちが分かるような気がしてくる。
  • 義理の妹に後ろから抱きついて胸元をまさぐり「匂いが違う」とのたまうウルペンさん好き勝手絶頂。
  • あとがきで「握る小指」とか「愛の言葉」とか最終巻までのサブタイだけ並べられた時は、秋田は何か悪いものでも食ったのかと思った。