ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王/上遠野浩平/電撃文庫

ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王 (電撃文庫)


ゾーラギゾーラギ、が印象的な巻。最初はこれがシリーズ最終巻になる予定だったとか。「笑わない」の正統な続編というか後日談という点(なにしろ英語副題が「HeaerBreakerⅡ」で「笑わない」のラストから直接繋がってるし)では確かにここで終わるのは綺麗だろう。ちゃんと最後に某吸血鬼ハンターよろしくブギーさんが笑ってみせてるし。けど、むくむくとキャラや設定が増殖した今となっては、「え?ここで終わりなの?」とも思えてしまうなあ。寺月恭一郎も登場して、統和機構との戦いはこれからだ!ってところなのに。マスコットキャラの「バッタくん」ってのは十助なんだろか。


ピクニックに来て食べるカツサンドと枝豆とビールの描写がやたら美味しそうなのが印象的だった。「口に入れると、さくっ、としたコロモがパンのなかで弾けるよう。ソースがついていない代わりにぴりっとしたスパイスがきいていて、肉もとても柔らか」。かどちんにしては珍しい文字通り味のある描写。メインだった『ペパーミントの魔術師』のアイスクリームですらこうじゃなかったのにな。