魔魚戦記+レスト&ハーウィン 星に願いを/吉村夜/富士見ファンタジア文庫
第11回ファンタジア長編小説大賞順入選作。占領下の惑星に変わり者の兄と暮らす変わり者の少女・レスタンティ。彼女の元に現れた求婚者は、全長3千キロメートルのイトマキエイ型宇宙人・ハーウィンだった。
ファンタジア大賞入選作の中でも特に好きなものの一つ。これでもかというくらいのスケールのでかさと、とぼけた地の文、とぼけたキャラが魅力。2巻で出てくる200億の難民の解決手段とか、子どもの想像力とそれを実現する巨大な力が直に結びつく辺りが楽しい。ただ基本的にはコメディなのに、描写の上ではわりとあっさり人死にを描いている辺りは、なんというか、とてもグロテスクに感じた。
結構期待してたのに2巻で終了しちゃったのは残念。しかしこの回のファンタジア大賞は「魔魚戦記」「覇壊の宴」「式神宅配便の二宮少年」と色物ばっかりだな。