花のズッコケ児童会長/那須正幹/ポプラ社ズッコケ文庫

花のズッコケ児童会長 (ポプラ社文庫)


クラスメイトが「柔道の稽古」と称したいじめに合っているのを目撃したハチベエ。果敢に助けに入るが、彼等のリーダー格である津久田にあっさり返り討ちにされてしまう。後日、津久田が学校の児童会長に立候補することを知ったハチベエは、これに対抗するための選挙活動を開始する。


昔も今も、那須正幹特有の主張の強さがこの巻では受け入れられなかった。作品内で津久田を一方的に悪者にしちゃってるのがなー。それで相対的にハチベエを持ち上げる、という構図が……。弱い者の人間の気持ちが分かるのがハチベエのいいところ、みたいなことが描かれてるんだけど、ちょっと持ち上げすぎなんじゃないか、とは思った。勿論悪い奴ではないけど、そこまでいい奴でもないんだよな自分のハチベエ像って。津久田の言動に義憤を感じる三人組にもなんだか違和感。皆本君の応援演説を聞いて、彼はどんなことを思っていたんだろうか。できれば、作中で名誉挽回の機会がほしかった。


リヴァイアス』でのイクミと晃治の対比をどう捉えるか、という問題にも繋がっていくのかもしれない。自分の中で。