秋田禎信を形作るもの

愛読書とか、創作活動において影響を受けた作品とか。基本的には秋田自身が明言したものに限る。

ルイス・キャロル『シルヴィーとブルーノ』(DM1997年03月号インタビューより)


ルイス・キャロルの詩的な世界が好きとのこと。

中川いさみ『カサパパ』他(1997年03月号のDMインタビュー及びモツ鍋より)

カサパパ (Mag comics―月刊ナカガワ)

カサパパ (Mag comics―月刊ナカガワ)


ギャグのためなら何でもアリなところが好き、とのこと。後に『誰しもそうだけど、俺たちは就職しないとならない』のイラストを担当。

ロス・マクドナルド『さむけ』他(『ザ・ベストオブ・オーフェン』やDM1998年08月号インタビューより)

さむけ (ハヤカワ・ミステリ文庫 8-4)

さむけ (ハヤカワ・ミステリ文庫 8-4)


ハードボイルドの大家。結末を知っていても読み応えがあるからハードボイルドの類いが好きらしい。他に「自分の作品は登場人物がよく泣いたりして非常にウェットなのでハードボイルドとは程遠い」というようなことを水野良がweb上で公開してた対談で言ってた記憶があるけど、既に見れなくなってた。勿体ない。レティシャ・マクレディ、コンスタンス・マギーなどの名前の元ネタも。

マーガレット・ミラー『これよりさき怪物領域』『マーメイド』他(同上)

マーメイド (創元推理文庫)

マーメイド (創元推理文庫)


ロス・マクの奥さん。前者は『エンハウ』の「怪物領域」の元ネタ。後者はクリーオウの名前の元ネタらしき人が。

ヒュー・ロフティング『ドリトル先生』(『ザ・ベスト・オブ・オーフェン』より)

ドリトル先生アフリカゆき (岩波少年文庫 (021))

ドリトル先生アフリカゆき (岩波少年文庫 (021))


子どもの頃の愛読書、らしい。秋田の中では日本人の書いた文章が読めない、その点翻訳ってある意味日本語じゃないからよく読めるとか。

カレル・チャペック『長い長いお医者さんの話』(同上)

長い長いお医者さんの話 (岩波少年文庫 (002))

長い長いお医者さんの話 (岩波少年文庫 (002))


児童文学。同じく子供の頃の愛読書。

マーガレット・ワイス『ドラゴンランス戦記』(『ザ・ベスト・オブ・オーフェン』、『我が聖域に開け扉(下)』あとがきより)

ドラゴンランス(1) 廃都の黒竜

ドラゴンランス(1) 廃都の黒竜


初めてのファンタジー、らしい。オーフェンの原型になったキャラのモデルが登場。最初の和訳は富士見書房から出ていた。

安部公房『友達・棒になった男』『砂の女』他(DM2001年01月号「センセイの宝箱」より)

砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)

友達・棒になった男 (新潮文庫)

友達・棒になった男 (新潮文庫)


不条理劇とかどいつもこいつも言いたいことだけ言ってる人間関係とか?同コーナーによると10代の頃は純文学が嫌いで、他にロス・マク星新一司馬遼太郎などを読んでいたとのこと。

富野由悠季機動戦士ガンダム』(『我が聖域に開け扉(下)』あとがきより。


魔術士の士は機動戦士の士。秋田が『オーフェン』の構想練ってる時に見てたのは『Vガンダム』。クオのイフリートの鎧はきっとV2ガンダムを観て思いついたに違いない。あとあの監督の人が言うところの「おまんこ舐めたくなるようなキャラ」って秋田作品に出てくるようなキャラなのかなーとか時々考える。冨野オタじゃないので全然違うかもしれない。


あとは、本人は特に言及してた覚えはないですが、J・G・バラード『結晶世界』が『エンジェルハウリング』に影響を与えていると聞いて読んでみたりもした。同『エンハウ』のテーマ曲は谷川浩子。


音楽では奥田民生ウルフルズスピッツDragon Ashなど。漫画は『ベルセルク』『マスターキートン』『ダイの大冒険』『ジョジョの奇妙な冒険』『神聖モテモテ王国』『超人ロック』、山科けいすけモノ。アニメはやたら推してたのが『DTエイトロン』、昔は『ガンダム』、『ザブングル』、『ダグラム』、『ボトムズ』といったロボットもの、劇場アニメでは『紅の豚』。バラエティでは『ぐるナイウリナリ』。映画では『パルプ・フィクション』などを挙げていた(全て1999年の『ザ・ベスト・オブ・オーフェン』より)。あとは格闘技マニアだったり猟奇フリークだったり。『快傑ズバット』『特捜ロボジャンパーソン』『宇宙刑事ギャバン』など昔の特撮モノを観てたり(『愛と哀しみのエスパーマン』あとがきより)。


あーあと、作品自体に直接的な影響があったかどうかはいざ知らず、90年代の富士見ファンタジア文庫から出てたって点で、どうしても神坂一スレイヤーズ』は避けて通れないわな。