封仙娘娘追宝録 下巻を抱く復習者
天を騒がす落とし物―封仙娘娘追宝録 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: ろくごまるに,ひさいちよしき
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 1995/08
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封仙娘娘追宝録11 天を決する大団円(下) (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: ろくごまるに,ひさいちよしき
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2009/02/20
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当然ですが、ネタバレ全開です。宝貝及び人物の解説については封仙娘娘追宝録資料庫参照。
既刊あらすじ
(1)天を騒がす落とし物
(2)嵐を招く道士たち
- 白雲と界元という二人の道士の宝貝を使った争いを、その子どもで幼なじみの景陣・玲夢と協力して力ずくで仲裁する。
- 索具輪の調子が悪くなる。
(3)泥を操るいくじなし
(4)夢をまどわす頑固者
- 宝貝を次々に破壊していく宝貝王・程穫。爆燎槍を持つ綾春と共に和穂・殷雷は彼に挑むが、なんと程穫は和穂の実の兄だという。人間界と仙界に跨る山・九遥山に捨てられた兄弟の内、和穂は龍華に拾われたが、程穫は奴隷商人に買われ、過酷な人生を送ってきたのだというが……。
- 一方、仙界では五仙の一人である有巣が暗躍していた。宝貝を撒き散らし人間界を滅茶苦茶にした和穂の罪を、過去に遡って赤ん坊の和穂を殺すことで、なかったことにしようというのだ。が、その企みは同じく過去に遡る(但し1度だけ)力を持ち、和穂によって封印から解放されることを望んでいた斬象や該想夢といった宝貝に阻止される
- その時、宝貝たちの目に止まったのが和穂の隣にいた程穫だった。宝貝たちは、自分の絶大な力を躊躇なく扱える、非常な人間を一から育ててみたくなったのだ。かくて、該想夢により程穫は生まれてこの方優しさに触れたこともなかったかのように記憶を操作され、純粋な悪に育っていく。
- 結局程穫は宝貝の副作用により死んでしまう。和穂に謎の珠を残して……。
(5)黒い炎の挑戦者
(6)憎みきれない好敵手
- 現在のありとあらゆる情報を手に入れられる九天象を持つ組織・軒轅。宝貝所有者の互助組織である彼等は、和穂たちに刺客を送る。刺客は殷雷の兄弟刀である恵潤とその持ち主・勇吾だった。二人は勇吾の父の敵討ちのために旅をしているという。
- 路銀のために刺客を引き受けた恵潤たちは、あっさり和穂たちと和解してしまう。が、更なる刺客が襲来し、その戦いのさなか、恵潤は無理やり融合宝貝の一部とさせられてしまう。戦いには勝ったが、それは最早元の恵潤ではなかった。融合宝貝は真実を語る。勇吾の父を殺した男は、決闘において恵潤刀で父を刺し殺し、また自分も力尽きたのだと。勇吾は怒り、融合宝貝と戦うが、やがて真実を告げてくれたことに感謝し、去っていく。その後、融合宝貝は恵潤の意思の元に統一された(が、状態は不安定なまま)。
- 一方梨乱は夜主と再会する。途中、軒轅の刺客で個人的な因縁を持つ相手に襲われるが、これを撃退。紆余曲折経て、梨乱と夜主は和穂に再会するまで共に旅をすることになる。
(7)闇をあざむく龍の影
- 和穂たちを襲撃したのは、本来人間界に存在しないはずの妖怪。それを追って豹絶、願月らが現れる。聞くところによると、豹絶の村で兄弟刀である静嵐が殷雷を呼んでいるのだという。早速村に行ってみると、静嵐は混沌を撒き散らして暴れていた。妖怪もその一部だったのだ。和穂たちはなんとかとかこれを処理する。
- だが問題はそれで終わらなかった。その村には、昔から「龍衣の鏡閃」という化け物が昔から恐怖をもって君臨していた。静嵐のことは、村人たちの思わぬ反抗に遭い姿を隠した鏡閃の隠れ蓑だったのだ。村人たちと力を合わせ真の黒幕を倒すが、鏡閃の正体とは。彼が死ぬ間際に和穂が見た珠とは。軒轅の幹部である鏡閃との関係は。幾つかの疑問は解決されないままだった。
(8)刃を砕く復讐者(上)
- かつて製作者である龍華に歯向かい、封印された轟武剣。その際、自分をかばった兄弟刀である結舞を破壊せしめた殷雷を、彼は恨んでいた。封印から解放された際、真っ先に彼は殷雷への復讐に向かいたかったが、人間界で鏡閃とその軍師・理渦器に捕まってしまう。
- が、ここに来て鏡閃は轟武を解放し、殷雷を殺すついでに和穂も殺すと約束してくれるなら、復讐に手を貸すと約束する。鏡閃は元仙人で、和穂と龍華に復讐を誓った男であり、龍衣の鏡閃は彼の半身、和穂が見た珠はその仙骨なのだった。鏡閃は宝貝を集めるために利用していた軒轅の幹部たちを罠にかけ無力化し、復讐のため本格的に動き出す。
- 和穂たちは鏡閃のことを調べていく内に、彼を封印した符が龍華製だということが判明する。が、それはなにほどのものでもなかった。殷雷の体にガタが来ていて、もう長くはないということに比べれば……。
- 他に、村長代理はその任を解かれ、旅に出る。梨乱と夜主の周囲に謎の影が出現し始める。和穂に逢いたい龍華が、人間界と仙界を隔てる結界について自分の師匠について尋ねに行き、「和穂と再会はできるが、そこには死ぬのより辛い運命もまた待っている」というような予言を賜る。など。
(9)刃を砕く復讐者(下)
(10)天を決する大団円(上)
- 程穫の遺した珠=彼自身の仙骨で尸解し、和穂は仙人として復活しようとしていた。しかし、それこそが鏡閃の狙いだった。理渦に作らせた宝貝により、尸解の隙を突き、和穂の肉体を乗っ取ってしまったのだ。
- 鏡閃は語る。かつて自分は仙人として人間界に来たが、家族を作り、情が移ってしまい仙界に戻ることを拒否した。龍華(と護玄の妹弟子・燕寿)は無用の混乱を防ぐため、その討伐に派遣されてきたのだ。結果的に、鏡閃の仙骨を抜き、封印することで事なきをえるはずだった。……が、和穂が宝貝を人間界にばら撒いたことで何もかもが滅茶苦茶になってしまった。これはその復讐なのだと。
- 和穂=鏡閃を討つという勅命を受け、鏡閃の目論見通り人間界に降りてくる龍華。状況はどうであれ喜ぶ和穂。だが様子がおかしい。人間界に被害を与え何千人を殺してもまるで頓着せず、和穂の意識が復活しても攻撃をやめない。あまつさえ、そんな仕打ちを諌める、監視役の仙人を殺してしまう。
- 龍華の暴走が始まった。龍華は邪仙認定され、仙界からの刺客を何度も返り討ちにし、その度人間界に犠牲が出ても気にしない。はたして、龍華は何を目的にこんなことをしているのか……?仙界の燕寿は、自らも討伐隊に加わり真意を質すことを決意する。
- 一方梨乱(と夜主)は、静嵐や恵潤、流麗といった断縁獄の中にいた宝貝たちと協力し、護玄が殷雷に与えた、殷雷と同じ材質の棍を元に、殷雷を打ち直そうとしていた。
大まかに、1〜4巻が前半戦、5巻でワンクッション、6〜11巻が後半戦、という感じ。どうでもいいけど逆接語多すぎですね。
シリーズ全体の流れから見てあんまり重要じゃないなーと思ったところは省略。が、あくまで自分基準であり、伏線とその解決を重視するこのシリーズにおいては、できるだけ全部再読しといた方がいいと思います。ここには掲載していないけど、短編も。つーか。今回この記事を書くためも兼ねて読み返したんだけど、やっぱり面白いわこのシリーズ。
未解決の伏線?
- 神農が示唆した索具輪の危険な使い方とは?また変調をきたした理由とは?結局符のせいというだけなのか?
- 夜主と龍華の関係とは?本文中、「夜主」であるはずのところが「龍華」となっているのは何かの伏線なのか?
- 村長代理の正体とは?鏡閃の一族の生き残り?
- 龍衣の鏡閃の封印を解除したのは?鏡閃が宝貝嫌いだったこと、「蛇の瞳」という描写から考えて斬象矛ら?
- 夜主・梨乱の前に現れた「影」=宝貝解放がなければ出会っていた人たちの正体とは?
- 本編と奮闘編の関係は?本編で深霜のことを説明する殷雷の口調と和穂の反応が、ほとんど奮闘編のそれと同じだったことは何を意味するのか?
- 導果先生の言う轟武の「踝」とは?轟武が偽者であることを見抜いた?
- 導果先生の「どちらにしろ同じこと」という言葉の意味とは?龍華の暴走を予想していた?
- 『刃を砕く復讐者』が序章と終章しかないのはなぜ?『破片に映るもの』の意味とは?
- 無擦珠は殷雷復活に何かの役割を果たすのか?
- 静嵐の欠陥とは?
- 和穂の両親の生死は?
- 護玄先生はどこいった?龍華の目的とは?あの仮面は本当にただのお洒落?
- 鏡閃=和穂に突き刺さっていた刀とは?鏡閃討伐で龍華が携え、現在燕寿のものとなっている刀と何か関わりが?
- 和穂の飾り布は何かに使われる?
- まだ回収されてない/登場してない宝貝はどうなる?
おまけ:刊行ペース
1−−−−−−2−−−−−−−3−−−−4−−−−−5−−−−外1−−−−−6−−−−−7−−外2−−−−−−−−−−−−−8−−−−−−−−外3−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−外4−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−9−−−外5−−−−−−−−−−−−−−−−10−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−11(?)
てなところで紙数も尽きた。ではまた。