ズッコケ(秘)大作戦/那須正幹/ポプラ社ズッコケ文庫

ズッコケ(秘)大作戦 (ポプラ社文庫―ズッコケ文庫)


順番とかバラバラに気に入ったやつから再読してるけど、シリーズ3作目。この巻ではシリーズ1鮮烈な印象を残し1巻きりで去っていったヒロイン北里真智子・通称マコが登場。転校生の彼女は、借金取りから逃げ回っている実情を覆い隠し、美人で、家はお金持ちで、性格もよくて……という設定のためには、自分が子どもにお駄賃をやって川で溺れているフリをさせ、自身それを助ける、といったようなことも辞さない虚言壁の持ち主だった、という話。


この娘がやけに印象深かったのは、結局最後まで嘘を突き通したということだろうなあ。3人組は既にそれを知ってるのに、マコ自身は結局気付かないまま優等生を演じ切る様は、いっそ哀れですらある。ただそういう子も世の中にはいる、と示してみせた手際。一概に「嘘はいけないこと」として作中で更正させるよりキャラクターに対してずっと厳しいのかも。


この北里真智子は、『ズッコケ中年組age41』(asin:4591095304)で再登場しているらしい。