東京の病院坂で起こった忌まわしい結婚式と、その花婿の生首が吊るされた殺人事件。金田一耕介をもってしてもこの謎を解決することはできず、決着は20年後に持ち越される。
無駄に長い印象ばかりが残ってしまったなあ。複雑な五十嵐・法眼両家の家計図も事件が20年越しで解決される経緯もあんまり意味を見出せなかった。登場人物みんな、20年前のことをまるで昨日のことのように語るし。
数え切れない凄惨な事件を解決する度心に闇を抱えてきた金田一自身の最後は、余韻があってよかったな。或いはそれは、常に「戦後なるもの」の陰を祓ってきた金田一が「戦後なるもの」と共に消えていく過程だったのかもしれない、なんて。