「この人まだいたのか」「この作品まだやってたのか」という物言い

ポップカルチャーのいいところは、ついこないだまで大御所だったものが、あっというまに陳腐でつまんないということになって、とっくの昔に時代遅れとされていたものが「新鮮だ!」「これを忘れた昔の奴はバカだ」とか言われて甦ったりところだ、と上遠野浩平と語っている。アニメでも漫画でもラノベでも、コンテンツの数が膨大で消費が追いつかない現状は、そういった傾向をさらに加速させているんだろう。


それはいいんだけど、昔ぶいぶいいわせてたものの今は特に話題性のない(=売れてない、ということではない)作家について、「この人まだいたのか」とか言って切って捨てちゃうのは寂しいことではあるなあ、なんて思う。読者が作品/作家から離れるのには色々事情もあるだろうし、自由ではあるけど、自分の人生から切り離された作品/作家は世間的にも存在しないも同然、と言わんばかりの物言いは、好きじゃない。ある作品が完結してるかどうか、なんてのはぐぐればすぐに判明することなのに、それをしないのは、「昔はハマってたけど今はもう全然興味ありませんよ。でもまあ、たまには昔語りでもしてみんべか。あの頃は俺、痛かったな〜(笑)」というような立場の表明なのかなーとか邪推を働かせてしまう。最近90年代の作品のリメイク/リバイバルその他が続いてるけど、復活までの間の仕事がなかったことにされてたりするのに、歯痒い思いもしたりすることもある。これが「繊細すぎる……」ってことか。


……つまり、こういうこと