カンガルー・ノート/安部公房/新潮社

カンガルー・ノート (新潮文庫)


足にかいわれ大根が生えてくるという奇病にかかった男が、病院、硫黄温泉、賽の河原などを巡る。


一般的には作者の遺作とされているらしい。1991年刊行だから、比較的最近のものなのね。初期作品である『壁』に次いで難解だった。なんか作者の中で一周したのかしら。足のかいわれ大根を食べることで成り立つ閉鎖生態系、ってのはユープケッチャと一緒ですね。全体を覆う死のイメージについては、これが氏の遺作であることで色々勘繰られてるみたいだけど、正直な話、良く分からない。