金色夜叉/尾崎紅葉/新潮文庫

金色夜叉 (新潮文庫)


将来を誓い合った女を金持ちに取られたので畜生結局世の中は金かよ!と絶望した前途ある若者は金貸しになりました。……いちいち文章が大仰でついていけないところもあった。お宮が自殺する夢はなかなかに鬼気迫るものがあったけど。てか、主人公・貫一がなあ。お宮との絆がどの程度のものだったかあまり描写されてないからか、その後延々と恨み骨髄な貫一がどうしても狭量な人間に見えてしまう。ここら辺は、発表当時と現代との男女関係に対する価値観の違いとかもあるのかな。一方で、敵役である筈の満枝は、なかなか可愛らしかった。


しかし『続金色夜叉』『続続金色夜叉』『新続金色夜叉』って。『ヤマト』か『エイリアン』みたい。