それから/夏目漱石/新潮文庫

それから (新潮文庫)


愛する女を友に譲ってしまってから数年。親の脛をかじり日々自堕落に生きる高等遊民の主人公を描く。……端的に言って、面白いものではなかった。『吾輩は猫である』『坊っちゃん』辺りの娯楽路線は例外で、こっちの、なんというかいかにもな文学的苦悩を描くものこそ漱石の王道なのかなあ。全編重苦しい雰囲気というわけでもないので、一先ず読みきることは出来たけど。