スレイヤーズTV3部作

流石に全話見直すのは無理なので記憶頼り。スタッフなどはE&G Films websiteから。

スレイヤーズ(無印)

スレイヤーズ DVD-BOX

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95年放送。ぶらざあのっぽ主宰の小山高生がシリーズ構成。原作1、3巻がベース。あとすぺしゃるの『白魔術都市の王子』に当たるエピソードも。大きな違いは、原作1巻相当分が終了した折り返し地点でアメリアが仲間になることか。第1作目で正義の仲良し4人組を集結させたかったんだろうかね。『アトラスの魔道士』を後回しにしたのは、『スレイヤーズ!』『サイラーグの妖魔』ラインで分かり易くするため?それとも夕方に流すには少々重くてじめじめしてる話だからか。


序盤は話運びがぎこちなくてあんまり面白みがなかったけど、後半はいい感じにこなれてきた。ラストの対コピーレゾ戦は作画クオリティも高く、原作に勝るとも劣らない出来。子安武人の怪演も見物。ただ、エリスの悪の魔道士ファッションとか、原作中で「ありがちなファンタジー」として茶化されてるような要素をそのまま『スレイヤーズ』でやっちゃうのはどうよ、という気がした。なんというか、端的に言って、それは13年前当時から既に感じたいた。それともわざとやってたのかなあれ。名実共にエリスを道化役にしたかったのだろうか。


『NEXT』オリジナルキャラマルチナを演じる柊美冬ってこの時点でモブキャラとして何回か登場してたのね。

スレイヤーズNEXT

スレイヤーズNEXT DVD-BOX 期間限定版

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96年放送。シリーズ構成が高山治郎にバトンタッチ。同じシリーズ構成として神坂一、キャラクターデザインにはあらいずみるいの名前もクレジットに加わる。原作2、4、7、8巻ベース。ファンの評価は3部作の中で最も高く(俺観測)、主題歌シングル「Give a reason」は林原めぐみ名義のシングルとしては初のオリコントップ10入りを果たしており、歴代一位の売上げらしい。原作の初版部数が一番多いのもこのアニメの終了後11月に発売された『クリムゾンの妄執』。


リアルタイム放映時の評価は別に高くなかったんだけど、今振り返って見るとあれはあれで安定してたのかもなー。1話からして「えらい人の像」がレゾだったり、セルフパロディもいい味出してた。ギャグ月間の女装ネタとかもベタベタではあるものの面白い。作画もまあそれなりに高値安定。スタッフとしては水島精二今石洋之の名前を発見。劇場版キャラデザ・総作監サムシング吉松の名前も。25話の加藤洋人作監回色っぽいなー。


原作ではあまりないリナ⇔ガウリイ、ゼル⇔アメリアの恋愛要素が強化されてるのも魅力の一つ。まあ原作はその手の描写自体は薄かったとはいえ、それは単に作者の趣味の問題だろうと思えたので、流れとしては自然。やたら惚れっぽいマルチナ@柊美冬もその為?それとも冗談みたいに最初から世界最強レベルのパーティーで一人だけ何も出来ないキャラ、ってのが重要だった……とも、あんまり思えないが。


にしても、最終話のアレはなー。原作は一つのシリーズのラストとしては少々あっけなさ過ぎという気がしなくもないし、そういう方向性もやぶさかではない、が、L様の格としてそれはどうなんだろういう気はしないでもないなー。最終的に光の剣が返ってきたのは、あの時点で3期が確定してて尚且つ原作の先行きが不透明だったから?

スレイヤーズTRY

スレイヤーズTRY DVD-BOX 期間限定版

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97年放送。完全アニメオリジナルストーリー。でもまあシリーズ構成に原作者が一応名前を連ねてるので、アニメスタッフの暴走ってよりは正統なパラレルワールドという見方。フィブリゾが倒され、それまでいた地域を覆っていた結界が崩れたため、リナたちは外の世界へと旅立つ。


この3作目が不評な理由として変にシリアスに走った、っていう話をよく聞くけど、それはあんまり関係ない気がする。リナたちが微妙に主役から外れてた、ってのはまあ納得。最終話EDで流れるのもフィリア桑島の曲だし。ただ、自分としては原作者も参加して完全オリジナルをやったってだけでも結構な評価だったりするんだよな。『無印』『NEXT』は原作との中途半端な差異がやたら目についていまいち楽しめなかったから。原作第1部相当分が『NEXT』でああいう終了の仕方をしてから、『TRY』で人間と神と魔族とL様の関係がどうこうって話を突き詰めるのは、なんというか、流れとしてはすごく正しい気がした。原作では大して重要な設定じゃなかった「異界の魔王」を元にどんどん世界が広がっていく感覚にすげえワクワクした。あくまであの世界に留まってああいう話に終始した原作第2部とは対照的。『TRY』と原作第2部、どっちが好きか、っつったら実はこの『TRY』の方だったりする。


スタッフ面では加藤洋人が演出・絵コンテをこなしてたり。この頃は『劇ナデ』はまだそれほど忙しくなかったのか、後藤圭二もいた。ごっきーは『Revolution』でアイキャッチを担当。作画クオリティは3作中一番いいんじゃないかしら。キャラいじりもいよいよこなれてきてて楽しい。声優では桑島法子がオリジナルヒロイン・フィリア。なんで桑島の高飛車委員長キャラってみゆきちのそれみたいに定着しなかったんかなー。