スレイヤーズ(6) ヴェゼンディの闇/神坂一/富士見ファンタジア文庫

スレイヤーズ6 ヴェゼンディの闇 (ファンタジア文庫)


『アトラスの魔道士』『聖王都動乱』と続く(?)人情物第3弾。結局最後までズーマがどうしてああなったのかは語られないけど、それによって一層彼の魅力が高まっている。こういう、必要以上に情報を出さないことで逆に読者の想像を煽るやり方が神坂一はうまいよね。一方のセイグラムは、精神生命体ゆえ色々ややこしいあの魔族が!下級とは言え魔族が人間ごときと手を組むなんて!というのが肝なんだろうけど、『アトラス〜』でも特にメリットがあるわけでもなさそうなのにハルシフォムに仕えたりしてたし、どうにもその辺の過去がやや衝撃を弱めてる気が。最初から設定がきちんと固まってればなー。彼の古き友、デュグルド、グドゥザも力に溺れててどうにも間抜け。ゼルとアメリアの対魔族戦のいい経験値稼ぎになっちゃって、金色の母が泣いてるぞ!


ゼロスとラルタークがチェスに興じている場面は、後々のことを考えると色々と興味深い。ひょっとしてその駒、リナ・インバースって言うんじゃありませんか?