天使の卵/村山由佳/集英社文庫

天使の卵 エンジェルス・エッグ (集英社文庫)

たとえば、頭の中で何度も予行演習をしてからでないと電話もできない。かばんの中身を何度でも取り出して確かめ直さずに射られない。歩こうとしても、どちらの足から先に出せばいいのかわからない。自分の鼻が邪魔になって字が読めない。


ここまでベタに徹することができるのは逆に凄い、という評価。あと、解説で村上龍が新しい風俗を描いたり片仮名を並べたりするだけで「新しい文学」と言えるのか、と書いてて、あんたがそれを言うのか、と思った。いや、村上龍が「それだけ」じゃないことは百も承知だけど。