それでも町は廻っている(4)/石黒正数

それでも町は廻っている 4 (ヤングキングコミックス)

  • 「タケルが針原さんになついた!」「あいつは親しみやすい顔と面倒見のいい性格で昔から後輩に慕われてるんだ」「私たちには後輩が寄ってこなかったんですよね」。この漫画の、こういうキャラクターの扱い方が好きだ。実際のところ、本人がこういう評価をどう思ってるのかは分からないけど、不美人な人を道化としてではなく、ネガティブな視点でばかり見るでもなく、一人のキャラクターとしてきちんと描けることの意味、とか。非萌え漫画、というのが世の中にあるとしたら、そういうことができる漫画じゃないだろうか。臼井くん@絶望先生の話とも繋がるかもしれない。3巻で登場した漫研部員の人たちの描き方も好きだったな。
  • 乳はアホの子の勝ち、でも皮パンジャストフィットで紺先輩の勝ち。そいうバランスのとり方。
  • ミステリ風味の話が多い。SF風味の話とかもそうだけど、作者が好きな素材を作品に注ぎ込んでる感じがして、必ずしもその周辺に興味がなくとも楽しい。ここら辺はマイナー誌連載故だろうか。
  • タッツンの弟はすごいシスコンに違いないと予想。
  • 「お話と現実をごっちゃにするとケガするぞ」という警官の人の着メロが「太陽に吠えろ」で、先輩の警官を「ヤマさん」とか呼んだりしてるということ。
  • ミシンそばの話は、以前の歩鳥が天国に行く話と比べて、匙加減がちょうどよかった。「いい話」ではなく、「ちょっといい話」の方が好き。が、だからこそ、あのあとがきはいらないと思うんだよなー。歩鳥があそこで「何故か」泣いたことが、あの話のキモだと思うのに。真田くんも「いうな……!」「……野暮になる」と言ってるじゃないか。
  • 卓球の話で、跳び箱に挑もうとしてるアホの子の後ろで「ガンバって」と言ってる子、どこか他の作品で見たような……。この人とか、同じページの平安時代ちっくな顔の人とか、警官の人とか、漫画的にリアルタッチというか、そんな感じのキャラクター造型が好き。大友克洋に影響受けてるのね。
  • エビちゃん可愛い!ギャルゲ―/エロゲーだと明らかに振られキャラっぽい気もするけどそこが可愛い!最初は男子の友達の目ばかり気にしていたタケルが段々と女の子のよさに気づいてく過程がよかったな。