Dクラッカーズ+プラス 世界-after kingdom-/あざの耕平/富士見ファンタジア文庫

Dクラッカーズ+プラス―世界 after kingdom (富士見ファンタジア文庫)


富士見ミステリー文庫創刊ラインナップの一つで、初期を支えた人気作。2004年1月に完結して、去年ファンタジア文庫から約半年間に渡る新装版の刊行の末、ようやく辿り着いた完全新作。ドラゴンマガジン連載。


短編集というより、二つの中篇を収録した……なんていったらいいんだろう、中編集?本編が開始する直前〜導入部の裏を描いた話と、本編が終了してから数年後の話。前者はちょっとコメントしづらい話だったけど、後者はなかなか。やや安易な気もしたけど、景と甲斐の対峙とか、やっぱりこういう見せ場作るの巧いわこの人。元々、こういう過去のオールスター勢揃い!な展開には弱いのです。ちょっと後に尾を引く終わり方がまた心憎いのだけど、でも、だからこそ続編はやってほしくないなあ。富士ミス版の人気がほどほど感じで、打ち切りも引き伸ばしも綺麗な完結の仕方だっただけに、このくらいで終わっとくのが正解だと思う。つーか、「アロマ」は一発ネタだからいいけど、この先続けていくとなると「カプセル」に比べて視覚的な描写がとぼしくて苦しそう。まーその辺はどうとでもするんだろうけど。