魔術士オーフェン無謀編(12) そのまま穴でも掘っていろ!/秋田禎信/富士見ファンタジア文庫

そのまま穴でも掘っていろ!―魔術士オーフェン・無謀編〈12〉 (富士見ファンタジア文庫)
 

そのまま穴でも掘っていろ!:「殺人は愛撫と同じだ。相手は予期しないほうに触れようとする。くすぐったいだけか?それとも反応するか?それは相手次第だな」。乾いた笑いとか通り越して、殺伐としてきた。「我はまあなんでもいいや」なオーフェンの投げ槍っぷりが、そのまま作者のやる気のなさじゃないとは言い切れない。


フリでもいいから努力しろ!:ある意味、奇人変人大集合の無謀編の幕引きに相応しい、まともな……まとも過ぎるキャラクターが登場。変なお約束に毒され過ぎたオーフェン始め、トトカンタ住人はみんなどこか噛み合わなさを覚えるのでした。「当事者を魔術でふっ飛ばせばだいたい騒ぎが終わるっていう物理法則」はぶっちゃけ過ぎです。そしてまた微妙にコギーとイチャイチャ。


今さら期待はしてねえよ:当初の予定では最終回になるはずだった話、らしい。これと次の話、つまり連載上の最終回までにー――どのくらいの期間なのか分からないけどー――コギー、ボニー、キースはトトカンタを去りアーバンラマへ、ということになっている。が、そういう素振りは全くなし。一応キースの婚約者ネタだけど、特になんか総括するでもなく。いまだに、「執事が結婚するはずがないでしょう」という言葉の真意がよく分からん。まあでも、掲載前はもうちょっと最終回っぽい話だったのかもしれない。個人的には、軒並み疲れてる感のある終盤の話の中でも、一番ひどい……まあひどいと言っていいだろう話だと思う。


かよわい彼女のまもり方:アザリーってこういうシャレにならない女だよ、という話。こんなところでギャグに使われたジャック・フリズビー哀れ。