そう、大切なのは先端部分だ!!

先端部分が見えるか見えないかが、これまで世界を動かしてきたと言っても過言ではないのだ。戦国時代、有能な武将は先端部分だけで数千の兵を統率できたという。


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雑誌連載分を単行本化するに当たっての加筆・修正というと、連載時に何らかの理由でラフになってしまった部分を書き直したり(冨樫義博とか萩原一至とか)、別に連載時がラフだったわけじゃないだろうけど作者の一存でクオリティアップを図ったり(高橋しんとか)、あるいは連載時にクレームがついた部分を削除/修正したり(木多康昭とか)、といったものが思い浮かびますが、巷で噂の『To LOVEる -とらぶる-』がやってるアレは、これらとはちょい違う気がする。つまり、少年漫画ゆえのお色気自主規制を逆手にとって、連載版とコミック版で二段階の楽しみを読者に提供する、という流れを(読者と共に?)システム化した辺りが。TVアニメで昨今よく見かけるようになった「DVDでは湯気が取れる」といったものとどこが違うかというと、読者は連載版の時点で既に満足してて、何の違和感も覚えなかった、ということ(そういえばこれのアニメはやっぱりDVDで新カットがあるのかな)。連載版は、乳首券を使わずとも少年誌としては結構なラインに踏み込んでいて、このご時世、週刊少年ジャンプという媒体に連載されるものとしては、それ以上手をつけるところがほとんどない。その上で、単行本化に際しては少年誌という媒体ではできなかった(或いはできたとしても、できないというお約束が共有されている)乳首券をばんばん発行してみせる。単行本で修正があることが知られても連載版の人気が落ちるわけでもない。それは、未完成品に足りないものを付け足している、のではなく、その時点で既に100%の代物を120%にする作業、と言えなくもない。なんというか、最初の変身時に既に圧倒的な力を持っていたフリーザ様があと2回変身を残していたかのような。


実は、私自身は追加された先端部についてはあんまり有り難味を感じない(というか、あの描き方があんまり好みではない)のだけど、そんなことはどうでもよくて、多くの人にとっては乳首券が大量に発行されている、という事実の方が重要だという気がする。それには、上に挙げたような事情も関係してるのかな。


To LOVEる -とらぶる- (1) (ジャンプコミックス)

To LOVEる -とらぶる- (1) (ジャンプコミックス)

To LOVEる -とらぶる- (5) (ジャンプコミックス)

To LOVEる -とらぶる- (5) (ジャンプコミックス)